「THE Graph(GRT)ってどんな仮想通貨なんだろう?」
「『ブロックチェーン業界のGoogleになる』という声もあるみたいだけど、将来性は高いの?」
と疑問に感じていませんか?
そこで今回は、THE Graphの以下のポイントについて徹底解説。
さっそく、詳しくみていきましょう。
THE Graph(ザ・グラフ)とは
THE Graphとは、非中央集権的な仕組みを保ちつつ、イーサリアムやIPFS(分散型ファイルシステム)などから情報を引き出す(クエリする)ための仕組みを提供しているプロジェクト。
ブロックチェーン上のDApps(分散型アプリケーション)や、DeFi(分散型金融)などの非中央集権サービスには、多くのメリットがあります。
しかし現状、特定の企業などが提供する中央集権的なサービスと比較すると、ユーザーエクスペリエンス(使いやすさ)が劣っています。
これを解消するには、ブロックチェーン内部の情報を、もっと柔軟にクエリし、ユーザーにわかりやすい形で引き出すことが大切だと、THE Graphは考えています。
とはいえ、こういわれてもピンと来ない方がほとんどでしょう。
THE Graphの仕組みは少しわかりにくいので、後ほどかみ砕いてご説明していきますね。
THE Graphには、Ethereum Foundation、OpenZeppelin、Decentraland、Orchid、MuleSoftといった仮想通貨業界で著名なプロジェクトの有識者が在籍しています。
こうした技術力の高さが評価され、2020年10月から行っているICO(新規発行コイン)による資金調達で、2500万ドル(約26億円)以上を調達しています。
THE Graphはすでに実用化が進んでいるのが魅力
THE GraphがICOを行ったのは最近のことですが、すでに実用化が進んでいるのが特徴。
先ほどお話したように、「ブロックチェーン業界のGoogleのよう」とTHE Graphを表現している投資家がいます。
これは、THE Graphがブロックチェーンに対して情報を要求(クエリ)する仕組みを持っているためです
僕たち投資家も、たとえば仮想通貨に関する情報を検索するとき「Google検索」することがありますよね。
もしGoogleや、似たような検索エンジンがなければ、目的の情報を探すのはとても困難になります。
これはブロックチェーンの世界でも同じで、たとえばDeFi系のプロジェクトやCoinGeckoなどの仮想通貨相場サイトは、THE Graphを使って情報を要求し、サービスを提供しています。
そのほか、Uniswap、Synthetix、Aragon、AAVE、Gnosis、Balancer、Livepeer、DAOstack、Decentralandといった名が通っている仮想通貨プロジェクトも、実はTHE Graphを採用しているのです。
THE Graphの将来性は?
それでは、THE Graphの将来性についてどう考えればいいでしょうか?
THE Graphが今後の「欠かせないインフラ」である理由
THE Graphの仕組みはピンと来にくいため、ここからはかみ砕いて解説していきます。
そもそも、なぜTHE Graphという仕組みが必要なのでしょうか?
現在のインターネットの世界は「Web2.0」と呼ばれていますが、ブロックチェーンとWebが融合した世界は「Web3.0」と呼ばれています。
その違いは、分散型アプリケーション(DApps)など、特定の管理者が存在しない「非中央集権的」なサービスが台頭してくること。
しかし、この流れを阻害しているのがユーザーエクスペリエンスの低さ。Web3.0のサービスは総じて、まだまだ「使いにくい」のです。
これには理由があり、ブロックチェーンを使ったサービスは独特な仕組みで成り立っているため。
そのままの形では、ブロックチェーン(ユーザーがみえない内部)と、アプリ(ユーザーがみている外部)の規格が異なるため、情報の引き出しがうまくいかないことが多いのです。
たとえば、「使いにくい」と感じるひとつの要素に、データの整理があります。
ブロックチェーン上のデータを、アプリに表示する際、「フィルタリング」「並べ替え」「グループ化」することを、さまざまなDAppsは必要としています。
こうした情報の要求(クエリ)はブロックチェーン単体が苦手とするところであり、このクエリを代わりに行ってくれるのがTHE Graphだということですね。
そして、THE Graphはこうした情報のクエリを行う仕組みそのものを、「非中央集権的」に自律稼働させている点が特徴です。
つまりTHE Graphは、いろいろなDAppsが仮想通貨のメリットである「非中央集権性」を維持しながら、ユーザーエクスペリエンスをWeb2.0並みに引き上げることに挑戦しているのです。
ブロックチェーンゲーム「CryptoKitties」の例
THE Graphは公式サイトで、イーサリアムを使った非中央集権的なゲーム「CryptoKitties」を例にあげて、プロジェクトの必要性を説明しています。
「CryptoKitties」のゲームにおいては、次の情報を取得することは簡単です。
「あるイーサリアムアカウントが所有しているCryptoKitties(ゲーム内の猫)はいくつありますか?」
「そのCryptoKittieが生まれたのはいつですか?」
なぜこの情報を取得するのが簡単かというと、これはイーサリアムのスマートコントラクトの仕組み上、すでに標準的にサポートされている絞り込みの方法だからです。
しかし、ゲーム内では次のような絞り込みの方法も必要になるかもしれません。
「2018年1月~2月の間に生まれたCryptoKittiesの所有者は誰ですか?」
これは簡単なようで、ブロックチェーンにとって非常に複雑な要求であり、なんと情報の要求に数日がかかることもあるとのことです。
仮想通貨が普及する未来では、DAppsが柔軟に情報を引き出すために「ブロックチェーン業界のGoogle」ともいえるTHE Graphのようなプロジェクトが必要となることは間違いないでしょう。
THE Graphの買い方
THE Graphは国内取引所では扱われていません。
海外取引所のバイナンスで購入できます。