「金とビットコインは似ているって言われるけど、どこが似ているの?」
「金とビットコインにはどんな利点があるのかな?」
「金が上がるタイミングでビットコインを買えば儲かる?」
仮想通貨に投資を行っている方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
そう、「金とビットコインの価格の相関」についてです。
そこで今回は上記のような疑問をお持ちの方に向けて、金とビットコインに関する以下の点についてお話していきます。
金とビットコインの比較
前述したように、仮想通貨界隈ではしばしば「金とビットコインのチャートが似ている」と言われます。
下記の画像は海外の掲示板であるRedditで話題になっていた金とビットコインのチャートを比較したものですが、確かに上昇タイミングや下降タイミングが被っており相関関係があるようにも見えますよね。
では金とビットコインには具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
二つの違いについてまとめたものが下記の表になります。
金 | ビットコイン | |
供給方法 | 採掘 | マイニング |
資産の形 | 現物 | データ |
保管方法 | 自宅の金庫、貸金庫、積み立てで預ける | 自身のウォレット、取引所に預ける |
購入方法 | 金貨の購入、ETF、純金積み立てなど | 取引所で購入、個人から購入など |
リスクヘッジ | 可能 | 可能 |
発行上限 | 明確な決まりは無し | 有り |
使用用途 | 投資対象、工業用品、医療用品、美容製品…他 | 投資対象、決済手段 |
それぞれの項目の違いとメリット・デメリットについて見ていきましょう。
供給方法
まず供給方法についてですが、金は世界中の色々な所から採掘され輸出・輸入されます。
特に多く金が発掘されるのが中国で、なんと年間490トン(2015年時点)も採掘されているんです。
それに対してビットコインはマイニングと呼ばれる、ビットコインの取引を承認する作業をしてくれた人に対する報酬として供給されます。
ちなみにマイニングのマイン(mine)は英語で「採掘する」という意味で、承認作業をしてビットコインを受け取る行為が金の採掘に似ていることからこう呼ばれています。
資産の形と保管方法
金は現物がありますが、ビットコインはデータ上の資産なので現物はありません。
現物にもデータ上の資産にもそれぞれメリット・デメリットがあり、例えば現物はデータ上の資産と違いハッキング被害などにあう可能性は低いですが、その反面災害などで資産を失ってしまう可能性があります。
(データ上の資産はその逆で物理的な災害などには強いですが、自身や資産を預けている取引所がハッキングされてしまう危険性があります。)
また、データ上の資産は月日が経っても劣化しないというメリットもあります。
購入方法
金を購入する方法としては
- 貴金属店などで金貨を購入する
- 金が含まれているETFを買う
- 純金積み立てを行う
といったものがあります。
金貨を購入する場合はすぐに現物が手に入りますが、自身でしっかりと管理しなければなりません。
ETFや積み立ての場合は現物の金を持つことはできませんが、その反面盗難されるリスクは低いです。
ビットコインなどの仮想通貨は
- 取引所で購入する
- 個人から売ってもらう
という方法があります。
基本的には取引所で購入することが多いですが、例えば友人に1万円を渡して1万円相当のビットコインを自分のウォレットに送金してもらうこともできます。
株式などと違い、気軽に個人間で取引できるのがビットコインのメリットですね。
リスクヘッジ
リスクヘッジとは今後起こりうるリスクを想定してリスクに対応できる体制を取って備えること、またはその手法を指します。
金に投資する場合でも、ビットコインに投資する場合でも考えなければならないリスクはほぼ同じで、「価格変動のリスク」と「運営企業・取引所が倒産するリスク」です。
価格変動の差は違えど、金もビットコインも株やETFのように価格変動のリスクは避けられません。
また、金にしろビットコインにしろ、運営企業や取引所が破産した場合は預けていた資産が戻ってこない危険性もあります。
上記のようなリスクを避けるためには「ドルコスト平均法」を採用したり、セキュリティや業績がしっかりしている運営企業を選んだりするなどの対策を取ることが有効です。
発行上限
金もビットコインも発行上限は決まっており、どちらも限りあるものです。
確かにビットコインは金と違い、実物がありませんから無限に発行しようと思えば可能です。
ですが、そうはなりません。
というのもビットコインの最大発行量は2100万BTCと厳格に決まっているからです。
(2140年までに全てのビットコインが発行される予定)
ご存じの通り、ビットコインは非中央集権ですからこのルールが変更されることはなく、今後2100万BTC以上のビットコインが発行されることはあり得ません。
同様に金も地球上に埋まっている分しか供給できないので、今後大量に発見されて価値が下がるという可能性は低いでしょう。
使用用途
金とビットコインの一番の違いは決済に使えるか否かという点です。
金もビットコインも価値があるという点では変わりませんが、金は直接決済に使用することはできず一度通貨に変える必要があるなど少々面倒です。
その点ビットコインは誰にでも、どこにいても少ない手数料で高速に決済することができます。
ただし金はビットコインより使用用途が多く、投資対象の他にもパソコンや携帯に使われるICチップなどの工業用品、金歯などの医療用品、金箔などの食用品にまで使われており、実需の面では金の方が優れていると言えます。
金とビットコインの上昇タイミングは同じ?
金とビットコインのチャートに相関関係があるなら、理論上は金が上がるタイミングでビットコインを買えば儲けられるということになります。
では金はどのような要因で価値が上がるのでしょうか?
金が上がる要因としては以下が挙げられます。
- 金が含まれたETFの登場時
- 国家間の対立などが起こった時
金が含まれたETFが登場すると、現物での金の購入に加えてETF経由でも金が買われることになるので需要が増え、価格が上昇します。
また、国家間の対立などが起こると、企業の業績低迷などを恐れた投資家達が一斉にリスク資産(株式や投資信託、外貨預金)などを手放して、価値が安定している金を買おうとするので価格が上昇します。
(国家間の対立に限らず、金利の低下や昨今のコロナウィルスなどで株式や債券の価値が下がると、それに反比例するように金の価値が上がる傾向がある)
確かに上記のタイミングでビットコインを購入すれば儲かる可能性もありますが、現時点では金とビットコインに明確な相関関係があるとは言い切れない為、あくまで参考程度に考えておくべきでしょう。