「ビットコインっていつ頃誕生したんだろう?」
「ビットコインってどんな仕組みで動いているの?」
「サトシ・ナカモトって何者なの?」
ビットコインに興味をお持ちの方の中には、上記のような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
ビットコインとは2008年に、「Bitcoin : A Peer-to-Peer Electronic Cash System」というサトシ・ナカモト名義の論文の公表とともに発明された、いかなる中央機関を持たずとも通貨発行や決済、取引の検証を行うことができる電子通貨システムです。
今回はビットコインに関する以下の点について解説していきます。
- ビットコインとは?
- ビットコインを発明したサトシ・ナカモトとは?
- サトシ・ナカモトの正体に関する説の真偽
ビットコインとは?

ビットコインの誕生と歴史
冒頭でも述べたようにビットコインは2008年にサトシ・ナカモトによって発表された論文を元に開発された訳ですが、「電子通貨システム」という概念は2008年以前に既に存在していました。
ここまで読んだ方は「ビットコインが発明される前から電子通貨があったのなら、なぜ現在のように普及しなかったの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
実はビットコインが発明される前の電子通貨には「二重支払問題」と呼ばれる、一度支払いに使われたお金が再び支払いに使われてしまうという大きな欠点を抱えており、これを解決するには全ての取引を中央の手形交換所を通じて決済するしかありませんでした。
こういった問題を解決するためにサトシ・ナカモトはb-moneyやハッシュキャッシュといった既存の技術を組み合わせることで、完全に分散化され、中央機関を必要とせずに通貨の発行・決済・検証ができ、「二重支払問題」が起こらないビットコインを作り出したのです。
ビットコインネットワークはサトシ・ナカモトがリリースしたリファレンス実装に基づいて2009年にスタートし今日に至るまで多くのプログラマーによって改良され続けています。
ビットコインの仕組み
上記の項でも述べた通り、ビットコインはいくつかの既存の技術の組み合わせで成り立っていますが、その中でもとりわけ中心的な役割を担っているのが「Proof-Of-Work(POW)」「Peer-to-Peer(P2P)」「ブロックチェーン」という技術でしょう。
Proof-Of-Work(POW)
「Proof-Of-Work(POW)」アルゴリズムは分散計算システムの一種で、10分ごとにグローバルな「選挙」を行うことで分散ネットワークが取引状態について合意に達することを可能にするものであり、この技術によって「二重支払問題」を解決することができます。
(ビットコインのマイニングと呼ばれる作業がこのPOWに該当します。)
Peer-to-Peer(P2P)
「Peer-to-Peer(P2P)」という技術については聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これは従来の通信方式が中央の管理者と利用者が1対1で通信を行う方法だったのに対してP2Pでは利用者同士が直接繋がることで中央管理者を必要とせずに通信を行います。
ビットコインではこのP2Pを用いて全てのユーザーがビットコインネットワーク内の取引を記録する台帳を保持することで、悪意のある人間が不正な取引を行っても他のユーザーの台帳と照らし合わせて不正を検知することができます。
ブロックチェーン
最後に「ブロックチェーン」技術ですが、これはビットコインネットワークの取引データを複数集めてブロック化し、一本の鎖のように繋げるというものです。
この技術はデータを鎖のように繋げるという特性上、過去のデータを不正に改ざんすることが非常に困難であり、ビットコインではこの技術とP2P技術を組み合わせることで堅牢なセキュリティを保持しているのです。
開発者のサトシ・ナカモトとは?

サトシ・ナカモトの正体は分かっていない
さて、ビットコインという画期的なシステムを開発し注目を浴びた「サトシ・ナカモト」ですが論文の発表から現在に至るまで一切の情報が不明であり、「日本人なのか?」「個人なのか?グループなのか?」「そもそも本当に実在しているのか?」ということすら分かっていません。
現在分かっているのはサトシ・ナカモトは100万BTC(日本円で約1兆7000億円)を保持しており、いまだにそれを売却していないということのみです。
サトシ・ナカモトの正体は「金子勇」氏?
正体が分かっていないサトシ・ナカモトですが、一部からはサトシ・ナカモトは「金子勇(かねこ いさむ)」氏ではないか?と噂されています。
「金子勇」氏は世界的に有名なソフトウェア開発者、情報工学者であり東京大学大学院情報理工学系研究科特任助手を経て、東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門特任講師も務めていた人物です。
「金子勇」氏といえば「Winny事件」を思い出す方が多いのではないでしょうか?
「Winny事件」とは「金子勇」氏が開発したP2Pファイル共有ソフトWinnyが違法な映像やゲームなどのアップロードに使われてしまいその結果、著作権違反を幇助した共犯の容疑として「金子勇」氏が逮捕されてしまったという事件の名称です。
幸いなことに「金子勇」氏の最終的な判決は無罪となりましたが、この事件が中央機関(政府)を信用せずに取引ができるビットコインの開発に繋がったのではないかとも言われています。
また同氏は2013年7月6日に死去されており、サトシ・ナカモトが保有している100万BTCがいつまでも売却されないのは保有者であるサトシ・ナカモト(金子勇 氏)が既に亡くなっているからではないかとも噂されています。
マカフィー氏がサトシ・ナカモトの正体について言及
ウイルス対策ソフト「マカフィー」の創業者にして、仮想通貨支持者でもあるジョン・マカフィー氏もサトシ・ナカモトの正体について言及しており、インタビュー内で「99%の確率でサトシ・ナカモトの身元を知っている」と答えました。
同氏はサトシ・ナカモト本人(とされる人物)と面識を持っており、元々はサトシ・ナカモトの正体を世間に公表するつもりでしたが本人と電話をした後に公表をやめることを決めたようです。
(仮に本人ではなかった場合、その人の人生を壊しかねないため。)
また、サトシ・ナカモトの正体の候補としてしばしば挙げられる「Craig Wright(クレイグ・ライト)」氏に関しても言及しており、自身のTwitterで「クレイグ・ライト氏はサトシ・ナカモトではないと100%確信している」とも述べています。
ただし「金子勇」氏の件も含めて現時点ではサトシ・ナカモトの正体に関する確たる証拠は出てきていないことからいまだに正体は不明なままとなっています。