こんにちは、阿部です。
仮想通貨と「政府」の関係は、もっとも誤解されやすい問題の1つではないでしょうか?
次のように感じたことのある方もいるかもしれません。
「政府が仮想通貨の価値を保証し、バックアップすれば仮想通貨は成功するのでは?」
「そもそもなぜ政府は仮想通貨を規制するのか?」
政府と仮想通貨の関係をしっかりと理解できれば、仮想通貨の重要な問題を理解することに役立ちます。
今回は、政府が仮想通貨を規制しようとする本当の理由について、ご紹介します。
「仮想通貨」と「政府」はもともと相性が悪い?
こういう表現には誤解が生じるかもしれませんが、仮想通貨と政府とは、もともと相性がよくなかったりします。
政府は「中央集権的」な存在で、仮想通貨は「非中央集権的」な存在だからです。
政府は「中央集権的」
中央集権的とは、中央に権力が集中していることです。
たとえば政府は、国家を統治する機関なので、権力の多く握っています。
そのため、国家が発行する法定通貨(日本の場合、日本円)も、国が権限を握っていて、国によって価値が保たれています。
良くも悪くも、権力が集中しているのが「政府」という機関なのです。
仮想通貨は「非中央集権的」
非中央集権的とは、中央に権力が集中しておらず、分散していることです。
そのため、「分散型」と呼ぶこともあります。
たとえばビットコインは、国によって発行されたものではありません。
そればかりか特定の管理者や、管理団体なども存在せず、世界中のユーザーがビットコインのアルゴリズムに従いつつ、結果としてビットコインが維持されています。
政府は「中央集権的」なものの方が管理しやすい
政府がなぜ仮想通貨を規制するのか、という本題について考えていきたいと思います。
基本的には、上述のように政府は「中央集権的」な存在で、仮想通貨は「非中央集権的」な存在なので、相性が悪いというのが理由です。
しかしもう少し詳しく考えてみましょう。
たとえば、国家のあり方にも「社会主義」と「資本主義」という2つの考え方があります。
もちろん僕たちの国は資本主義ですが、政府が多くの問題を決めてしまう社会主義も、世界にはまだまだ存在しますよね。
そういった国で、資本主義的な考え方をした人々がいきなり現れたら、政府はどうするでしょうか?
おそらく、「規制」するのではないかと思います。
仮想通貨においても同じような考え方をすることができます。
お金にも社会主義と資本主義のようなものがあるということです。
- 資本主義=ビットコインなどの仮想通貨
- 社会主義=日本円などの法定通貨
あくまで大まかなイメージですが、このように考えると分かりやすいでしょう。
政府は仮想通貨を恐れている?!
上述したように、政府は国家を統治する機関です。
つまり日本政府は日本において「秩序を保つ」という役割があります。
一方、最近登場した「仮想通貨」は、あまりに資本主義的過ぎるので、秩序を乱す恐れがあります。
これが日本を含むいくつかの国で規制が検討されている理由。
たとえば、
- 税金をしっかりと課税する
- マネーロンダリング防止
- 国民の資産の把握
- 金融政策
といった政府の仕事があります。
しかし、仮想通貨は個人情報と結びつけられていないので、政府がこうした仕事をしにくくなります。
(もし)日本人が日本円ではなく、ほぼ100%の支払いを仮想通貨でするようになったら、国はもはやどうしようもありませんよね。
とくに中国などはこうしたことを懸念して、チャイナコインなど国家発行の独自通貨を検討したり、仮想通貨の規制を強化したりしています。
一方、ユーザーにとってはメリット大
もちろん、だからといって仮想通貨が「悪い存在」というわけではありません。
上述のような事情で、政府と相性があまりよくないのです。
とはいえ、僕たちユーザーにとって仮想通貨にメリットがないとは限りません。
仮想通貨を正しく知って、取り入れられる範囲から取り入れてみると見える世界が変わってきますよ。