こんにちは、阿部です。
「仮想通貨って、本当に10年後も価値を保っているの?」
「無価値になってしまうのでは?」
と不安になってきている方もいるでしょう。
しかし社会を見渡してみるとむしろこうした心配とは反対に、「仮想通貨に無関係であるはずの業界が、仮想通貨に寄ってきている」という現象が見られています。
今回、ご紹介したいのは、ロンドン証券取引所による「株式をトークン化する」試みです。
ロンドン証券取引所は、仮想通貨の取引所ではなく、「株式」が上場する公的な取引所です。
こうした取引所がなぜブロックチェーンを使って、株式を「トークン」に置き換えようとしているのでしょうか?
ロンドン証券取引所が株式のトークン化を目指す
ロンドン証券取引所が新しいチャレンジを試みています。
ブロックチェーン企業のNivaura、そしてTwenty Thirty AGと提携し、株式を暗号化したデータ(トークン)として上場させようというのです。
注目したいのが、この試みには仮想通貨のイーサリアムが使われているということです。
ロンドン証券取引所は、ヨーロッパ最大の取引所の1つで、2500もの企業が上場しています。
このような試みは世界初で、今後さらにイーサリアムや、仮想通貨そのものの利用価値の大きさが証明されることになりそうです。
そもそもトークンは、イーサリアムなどのブロックチェーン上で発行される「独自通貨」を指しているはずです。
つまりロンドン証券取引所の試みは、「企業の株を仮想通貨に置き換える」ことをしているのです。
こうした試みにより、いったい誰にどのようなメリットがあるというのでしょうか?
株式をトークン化することによるメリットとは?
たしかに株式をトークンに置き換えて、うまく機能するとしたら面白い試みです。
しかし、これには面白いだけではなく、しっかりとしたメリットがあります。
「資金調達が効率的になる」ということです。
そもそも株式も、ICOトークンも「資金調達のために発行される」という共通点がありますよね。
ではこの両者は同じなのかというと、そうではありません。
一般的にいえば、株式を発行するよりも、トークンを発行するほうが「簡単」で「早く」、「低コスト」です。
つまり、株式のトークン化が技術として確立さえすれば、そちらのほうが効率的なのです。
こうしたトークンの「効率性」が注目され、コミュニティ通貨(地域通貨)をトークンで発行しようという試みも、世界各地で行われています。
以前まで、利用者の限られている地域通貨をアナログ紙幣で発行する場合、コストの採算を合わせるのが難しかったのです。
しかし、イーサリアムトークンなどでこれを代替すれば、早いスピードかつ低コストで、通貨でも、債券でも、何だって発行できてしまうのです。
これが、仮想通貨と無関係であるはずの「株式」をトークンに置き換えるメリットです。
未来ではあらゆる資産が仮想「トークン化」される
今回は、ロンドン証券取引所の株式のトークン化をご紹介しました。
しかし、こうした「トークン化」の傾向は、何も株式に限ったことではありません。
むしろ、トークンと相性のよい「文書」「権利」「通貨」「債券」などは、どんどんトークン化されていくはずです。
ロンドン証券取引所のトークン化も、「仮想通貨に無関係であるはずの業界が、仮想通貨に寄ってきている」という大きな流れの1つです。
Sahra氏はこのことについて、次のように述べています。
産業の発展により、世界は資産のトークン化へと足を進めています。これはもはや避けられるものではありません。
このように考えると、仮想通貨の将来性が高いのも、納得できる論理といえますよね。
2018年7月現在、仮想通貨の相場はパッとしませんが、広い視野でその可能性を理解していきたいところです!