こんにちは、阿部です。
誰が、いくら、どこに送金したかが見えにくくなる「匿名性コイン」が一部の層から大きな支持を得ています。
そんな匿名性コインの中でも有名な存在である
Monero(モネロ)がハードフォークにより5つ以上に分裂します。
- Monero Classic
- Monero C
- Monero 0
- Monero Original
といった仮想通貨が新たに誕生し、さらに2018年4月30日にはMonero Vも誕生予定です。
一体なぜ、Moneroはハードフォーク(分裂)したのか?
分裂したことによりどのような影響があるのか?
ニュースの詳細についてみていきましょう。
Moneroが5つ以上に「分裂」?
上述のとおり、匿名性コイン「Monero」は5つ以上の仮想通貨に分裂することとなりました。
分裂とはいわゆる、「ハードフォーク」のことですね。
仮想通貨の仕様変更には「ソフトフォーク」と「ハードフォーク」の2種類があります。
基本的には、「ソフトフォーク」軽い仕様変更であり「ハードフォーク」は大掛かりな仕様変更といえるでしょう。
また「ソフトフォーク」では仕様変更の前と後で互換性を保っているという特徴もあります。
つまり、分裂せずに1つの暗号通貨として持続していられるのです。
一方、「ハードフォーク」では、フォーク前の仮想通貨との互換性がなくなるため、「フォーク前のコイン」と「フォーク後のコイン」の2種類の仮想通貨が誕生することになります。
今回のMoneroでは、もともと1つだった暗号通貨が、合計5つ以上に分裂することになりました。
なぜこのようになってしまったのか?
鍵を握っているのは「ASIC」の存在です。
ASICとは?
ビットコイン、イーサリアム、Monero・・・ほとんどの暗号通貨は例外なく、「マイニング」によって支えられています。
ユーザーが送金した仮想通貨の履歴を記録したり不正ができないように高度な計算を繰り返したりといったマイニングを行う「マイナー」が存在してこそ多くの仮想通貨は稼働し続けられる仕組みとなっています。
そんなマイニングをするための方法として、大きく分けると2つがあります。
- 通常のパソコン(CPU)を利用する方法
- ASICと呼ばれるマイニングに特化した集積回路(CPU)を利用する方法
通常のパソコンであっても、ASICであっても、
マイニングを行うことは可能です。
しかし、マイニングに特化した集積回路であるASICを使えば通常のパソコンよりもはるかに効率的にマイニングをおこなうことができます。
イメージとしては、ASICとは「マイニングをおこなうことしかできないが、マイニングをさせればこの上なく高性能なコンピューター」です。
しかし、ASICは、マイニングする人にとってはメリットが大きいもののその他大勢のユーザーにとってはデメリットとなってしまうこともあります。
そのため、Moneroには(ASIC耐性)という「ASICを使ったマイニングをできないようにする機能」が備えられていました。
ここが大きなポイントであり、マイナーからすると「専用の機器であるASICを使った方が儲かる」ので、MoneroのASIC耐性については反対の立場なのです。
この点で、Moneroの運営側とマイナー側での意見が対立。
結果として、Monero Classicなど5つ以上の仮想通貨に分散することとなってしまったのです。
ASICの何が問題なの?
上述したように、ASICはマイナーにとっては多くのメリットがありますが、その他多くのユーザーにとっては場合によってはデメリットとなることもあります。
一体なぜ、ASICがデメリットなのか?その理由の1つとして挙げられるのが仮想通貨の「中央集権化」が進んでしまうことです。
中央集権化とは、権力が特定の対象に集中してしまう現象のこと。
上記の例に限っていえば、マイナーなどに権力が集中してしまうことです。
通常マイニングは、世界中の誰でもパソコンさえあれば可能。
しかし、ASICが普及してしまうと通常のパソコンでは処理能力が足りず、事実上、高価なASICを使える業者でなければマイニングができなくなります。
これでは、仮想通貨コミュニティの性質上、マイニングを行う人々が権力を握りやすくなってしまいます。
また、現在世界でASICを製造しているのは「ビットメイン社」という中国のメーカーほぼ1社。そのため、ビットメイン社に権力が集中してしまう懸念もあります。
というわけで、MoneroコミニティにとってはASICはあまり歓迎するべき存在ではないとされていました。
今後、Moneroという仮想通貨がどういった方向に進んでいくのか。
これは実際に、しばらく時間を経てみないとわからない部分が多くあります。
Moneroにとって重要な時期に差し掛かっていることは確かなので、僕たち投資家もしっかりと見守っていきたいところ。
重要なニュースがあれば、また共有させていただきますね。
今回は、Moneroのハードフォークについてお伝えしました!