こんにちは、阿部です。
ビットコインなどの仮想通貨はその激しい値動きに特徴があります。
そのため「ビットコイン投資はリスクが大きい」といわれるなど、「株」と「ビットコイン」はまったく別々の性質を持つものとして扱われてきました。
しかし最近、ビットコインと株式市場の値動きに明確な「関連性」が発見されています。
正確には、株式市場の「VIX(恐怖指数)」とビットコイン価格の関連性です。
常識をくつがえすこの発見は、どのような理由によって支えられているのでしょうか?
ビットコイン価格とVIXの関連性は確かに存在する
VIXとは、簡単にいえば「市場の参加者が恐怖を感じている度合い」を数値化した指標です。
VIXが高くなるほど、投資家らは暴落の恐怖におびえているということになります。
とはいえ恐怖は人の感情であるため、本来は数値で表すことは困難です。
そのためVIXでは、将来のボラティリティ(価格変動率)予測を使って間接的に人の感情を計る計算方法を採用しています。
さて、ビットコイン価格とVIXとの間にはどういった関連性があるのでしょうか?
それは、
「ビットコイン価格上昇でVIX下落」
「ビットコイン価格下落でVIX上昇」
という正反対の相関です。
ビットコイン価格とVIXの関連が「偶然」ではない理由
ビットコイン価格とVIXの関連性について「偶然じゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、これは偶然ではなく必然的な現象です。
最近では多くのトレーダーが株式投資と仮想通貨投資を兼ねています。
株式市場の調子が悪ければ仮想通貨へ資金を動かす、もしくはその逆を取る手法が一般的になっている以上、株式市場とビットコイン市場に関連性があってもおかしくはありません。
株式と債券との間、または株式と商品(コモディティ)との間にはすでに一定の関連性が見つかっています。ビットコイン価格とVIXでも同じ現象が起きているのでしょう。
ビットコイン価格とVIX指数はなぜ「正反対」の動きなのか?
ビットコイン価格とVIXの間に関連性があることはわかりました。
では、なぜ正反対の動きをするのでしょうか?
この仕組みは次のように説明できます。
- VIXが下がる
- ボラティリティ低下により株式市場で利益を得にくくなる
- 対策として投資家はビットコインを買う
- ビットコイン価格が上昇する
恐怖感情の度合いを示すVIXは将来のボラティリティ(価格変動率)予測によって計算されています。
そのため将来のボラティリティ予測が低ければVIXも低くなるのです。
つまり、VIXは株式市場のボラティリティを示していると言えます。
そこで重要なポイントは、ボラティリティが低くなることで投資家が利益が出しにくい状況にあることです。(上昇も下落もない相場では利益を得ようがありませんね)
ボラティリティが低い株式市場へ投資する価値は少ないため、投資家のお金がビットコインへと流れているのです。
VIXをシグナルにビットコインを買う戦略もある
ビットコイン価格とVIXとの間に関連性があるということは当然、それを利用した投資手法も考えられます。
- VIXが下がったらビットコインを買う
- VIXが上がったらビットコインを売る
たとえば、上述のような戦略です。
ただしVIXのみがビットコイン価格を動かしているわけではありません。
ファンダメンタルズも無視できないことを覚えておきましょう。
「VIXが下がったら無条件にビットコインを買う」
ようなストレートな使い方ではなく
「ビットコインを買う際の最終確認としてVIXを参考にする」といった間接的な活用法がベターでしょう。
これならば指標として安心して利用できます。
今回はビットコイン価格とVIXの関連性を、投資で活用する方法をご紹介しました。
新たな手法を模索中の方の参考になれば幸いです。