今回はこういった疑問に答えます。
基本的なことですが、投資の大切な要素、「売り」と「買い」のタイミングがその成績を左右します。
この2つはセットですが、しばしば「売り」よりも「買い」のタイミングのほうが重要視されがちです。
そこで今回は、軽視されがちな「売り(いつ売れば良いのか?)」の考え方について解説します。
ちなみに、最もミスを犯しがちな考え方は「まだ上がる!」というものです。
このことを念頭に、「最適な売りどき」について考えていきましょう。
買い時よりも売り時の判断のほうがシビア
「売り」と「買い」はどちらも大切な判断であることは言うまでもありませんが、「シビアさ」では「売り」のほうがより大切だという面があります。
なぜなら、基本的に相場は、ダラダラと上昇し一気に下落することが多いからです。(ちなみに、その理由は「買いが買いを呼ぶ」儲けたい気持ちよりも、「売りが売りを呼ぶ」恐怖心のほうが強いからです。)
そのため、売りのタイミングを心得ていないトレーダーは、含み益を一瞬にして相殺してしまうことも少なくありません。
そして、このようにならないためには、購入するコインの種類や購入タイミングを分析するのと同じくらい慎重に、「売り」のタイミングを考慮しなければなりません。
まだ上がりそうなときの利確タイミング
そうは言うものの、売却するタイミングを決める「基準」がなければ迷ってしまいます。
ですので、自身の心の中で「こうなったら売る」とあらかじめ決めておくと判断がスムーズです。
そして、その基準は投資スタイルや相場環境により異なりますので、パターン別に見ていきましょう。
短期トレード・レンジ相場の場合
まずは、短期トレード(1日~数週間)の場合で、レンジ相場の場合です。
レンジ相場とは、一定の価格幅の上下を繰り返す相場をいいます。
大抵、強いサポートラインとレジスタンスラインの間の行き来を繰り返します。
この一定の価格幅を利用した戦略を取る場合、どんなに上がりそうだと感じてもレジスタンスラインよりは下で売却します。
予想通りレジスタンスラインで反落し、サポートライン付近まで落ちてきたらそこで購入します。
基本的には、この繰り返しです。
ただし、この手法の注意点として、サポートラインより値下がりした場合は損切りしましょう。
下降トレンドへ入った可能性があるからです。
このように「今どのような手法で売買しているのか?」を常に意識することが短期トレードのコツとなります。
短期トレード・トレンド相場の場合
次は、短期トレードのトレンド相場での売却タイミングについてです。
レンジ相場は上昇、もしくは下落へのトレンドがない相場でした。
それに対してトレンド相場は、「上げ」もしくは「下げ」方向への明確な動きがあります。
上図は紛れもなく上昇トレンドです。
そして、この場合、どの部分で売るのがもっとも賢明なのかというと、「サポートラインを割り込んだ部分」です。
サポートラインを割り込むことで「トレンド相場が終わったのかな?」という市場の空気になり、様子見の売りや利確売りが多く入ることになります。
基本には、サポートラインを割り込むまで売らないほうが上昇の余地を残せるためよいのですが、「明らかに高すぎる」と感じる強烈な上放れは売ってもよいとも思います。
長期投資の場合
最後は、長期投資の売却タイミングについてです。
長期投資の定義は「いつ売るかが曖昧」かつ「数年以上先を見越している」こと。
この場合は、基本的なスタンスとして、余程のことがない限り売りません。
短期的な価格の上下に一喜一憂せず、長い目で考えることになります。
とはいえ、買ったものは、いつか必ず売る日がくるわけですので、まったくそのタイミングを考えないわけにもいきません。
それでは、どのように判断すればよいでしょうか?
成長性が見込めなくなったら売る
仮想通貨への長期投資はとても有力です。
この理由は、法定通貨に代わり、新しい通貨となる可能性や、誰もが仮想通貨を利用するようになる可能性があるからです。
このような理由で長期投資をしている場合、仮想通貨市場が「これ以上成長しない」ところまで来たら売るのがよいでしょう。
仮想通貨の普及が完全に落ち着き、円やドル程度の成長性になったら投資する意味はなくなります。(短期投資の余地はあるかもしれませんが)
もしくは、仮想通貨に代わるライバル(新たな決済手段など)が現れることで先行きが怪しくなるかもしれません。
それによって成長が見込めなくなるようであれば、長期投資としては意義がなくなります。
わからないときは少しづつ売っていく
今回は、仮想通貨を売るタイミングについて考察しましたが、1つ付け加えておくならば、売るタイミングは1つのコインにつき1回(1ヵ所)とは限りません。分散して売る方法もあります。
「売るべきか売らざるべきか、どんなに考えても答えが出ない!」という場合もあると思いますが、そんなときは半分だけ売ってみたり1/3だけ売ってみたりして、分割することも考えてみましょう。
むしろ、「ここが売りどきだ!」と感じるポイントがあってもあえて分散することによって、リスクが軽減されることもあります。
売るタイミングにも絶対的な答えはありませんが、1つの基準として、ぜひご参考ください^^