Vergeに続きZenCash(ZEN)へ51%攻撃―対策はある?

仮想通貨ニュース

こんにちは、阿部です。

ZenCash(ZEN)がハッキング被害にあい約55万8000ドル(約6140万円)が不正に盗まれてしまったようです。

公式ブログが、2018年6月3日の51%攻撃が原因と発表しました。

Vergeなどいくつかのコインがすでにハッキングを受けています。

ZenCashもほとんど仕組みでの犯行となります。

投資家にできる対策はあるのでしょうか?

詳しくみていきましょう。

ZenCashが受けた51%攻撃―その詳細は?

ZenCashが受けたハッキングは、いわゆる51%攻撃に該当することが公式ブログによって明らかとされています。

51%攻撃とは、悪意を持ったグループがマイニングの過半数を占めたとき、コインの一部機能を「乗っ取る」ことが可能な仕組みを利用した攻撃です。

(※上記は直近1ヶ月のZenCashのチャートです。攻撃により下落が加速しました)

犯人の手口としては、まずZenCashを取引所へ送金し、価値のある通貨へと換金。

その後、二重払いにより送金したはずのZenCashを使い回せる状態にして、元手を約2倍に増やしたと見られます。

攻撃を受けたZenCashは本当に大丈夫?

ZenCashを保有する投資家は、今回の51%攻撃をどのように考えればよいでしょうか?

51%攻撃は、ハッキングの中でも比較的難易度が低い攻撃で、規模の小さな仮想通貨であれば膨大な予算をかけることで可能です。

一方、攻撃されることによる損害も部分的なものとなっています。

たとえば51%攻撃では、今回の二重払いのように手持ちのコインを使い回すことで、価値を増やすことができる一方、

  • 他人のウォレットに保管されているコインを盗むことはできない
  • コインを無限に生産したり、ゼロからコインを生み出すことはできない

という特徴があります。

事実、51%攻撃により、通貨が完全に破綻するほどの打撃を受けた例はまだありません。

ただし何度も発生するようであれば、人々の信頼を失い価値が減少してしまうかもしれません。

ZenCashは51%攻撃を受けやすい

ハッキングされたZenCashとは、どのような仮想通貨なのでしょうか?

ZenCashは、外部からは取引が観察しにくくなっている匿名性コイン(匿名通貨)の1つです。

Monero、DASH、Zcashなどの匿名性コインもありますが、その仲間であるといえます。

また、

  • コンセンサスアルゴリズムはProof of Work
  • 時価総額は2018年6月7日時点で約100億円(140位前後)

という特徴があります。

この2つは、ZenCashが、51%攻撃を受けやすい要因となっています。

時価総額の小さいコインは注意

ZenCashは比較的、51%攻撃に弱い通貨となっています。

その理由の1つ目は、アルゴリズムにProof of Workを採用しているからです。

Proof of Workを採用していてもハッシュ合計が大きければ、51%攻撃に対して安心できます。

つまり、「Proof of Workを採用するコインでは規模の大きなコインほうが安心」ということになります。

しかしZenCashは、Proof of Workを採用しながらもそれほど規模が大きくないコインです。

上記でも軽く触れましたが時価総額は約100億円(140位前後)となっています。(2018年6月7日時点)

本来からして51%攻撃を受けやすいコインだったのですね。

ZenCashのようなコインでは、犯人は十分な予算をかけることで比較的簡単に51%攻撃が可能です。

投資家としての対策はある?

こうしたハッキングに対し投資家はどう対策すればよいのでしょうか?

たとえば、以下の行動が考えられるでしょう。

  • Proof of Workの仮想通貨へ投資するなら、ビットコイン・イーサリアム・ジーキャッシュのような規模の大きなコインにしておく(それでも攻撃の可能性はゼロではない)
  • 51%攻撃による値下がりは限定的と考えて、織り込み済みで投資する
  • いくつかのコインへと分散投資し、リスク分散を図る

自分の保有している仮想通貨での悪いニュースは焦ってしまうものですが、落ち着いて対策すれば問題ないことがほとんどです。

上記をぜひ参考にしてみてください!