少し前の話になりますが、以下の事案、覚えている方はいらっしゃるでしょうか?
2015年『外れ馬券の購入代を経費と認めず、約2億円を追徴課税したのは違法だとして北海道の男性が国を相手取って、課税取り消しを求めた訴訟の判決』が東京地裁でありました。
裁判長は経費として認定せず男性側の請求を棄却したわけですが、同年3月には同じようなケースで最高裁が外れ馬券を経費として認める判断を示しました。
この2つの違いは何かというと
- 「馬券購入の実態が機械的、網羅的であるか」
- 「営利を目的とした継続的行為、経済活動であったか」
という点のようです。
経費として認められたケースは「長期間、網羅的な購入で経済活動の実態がある」と見なされました。
一方認められなかったケースでは「経済活動ではなく趣味娯楽」と見なされたようです。
これらのケースは『経費になるか否か』で税金が億単位で変わってきますから当事者にとって死活問題です。
ということで今回は税金(個人事業者)について、お話ししたいと思います。
個人事業主の税金とは?
個人事業者の税金算出方法
——————————————————————–
【売上-経費=利益】【利益×所定の税率=税金】
——————————————————————–
となります。
税金逃れは出来ない
売上の増減をして税金を減らすことはほとんどできません。
というのも、税務署の情報収集力はかなり高いからです。
あらゆる源泉徴収書は写しが税務署に提出されますし税務調査に行った際には大量の領収書をコピーしていきます。
また、色々な人の銀行口座をのぞき込みどれだけの振り込みがあるかということもしっかりとチェックします。
自分でビジネスを行なっていたら領収書を発行したり振り込みを受けたりしますよね。
つまり、税務署は「僕たちの売上情報を入手している」可能性があるのです。
ですからもしも売上の申告が税務署の所持している情報に比べて少ないと判断されると税務調査が行われます。
そして、後々、追徴税をとられてしまうのです。
一般的に、税務調査は大きい業者にしか行きませんが売上に関して不審な点があれば零細業者の所にも来てしまいます。
ですので、売上を操作すると、本来受けなくていいはずの税務調査を受ける羽目になってしまい税金も余計に取られてしまうのです。
ちなみに売上の操作は節税ではなく脱税です。絶対にやめましょう。
一方、経費の積みましで節税を図った場合には結構なムリをしても、そこまで厳しくチェックされることはありません。
ですので、 「売上をいかに誤魔化すか」ではなく「経費をどのように積み増すか」が、節税の肝になります。
経費の使い方で税金は変わる
ここからは、税金を必要以上に払わないように「経費」についてシェアしていきます。
経費とは?
経費というのは事業を営む上で使った費用のことです。
物販であれば送料、梱包費そしてセミナーに参加した費用、教材や塾の費用交通費、飲食代なども「利益につながっているもの」であれば基本的に全て経費になります。
「飲食代も経費なの?」と思われるかもしれません。
もちろん、自分1人で食べている時の飲食費は経費にはなりません。
ですが、誰かと食事をしながら打ち合わせやお仕事の話をした場合は経費になるのです。
たとえば、「今はこんなものが売れていて、仕入先はどこで販売先はここがいいよ!」といったものです。
これは利益につながることですので立派な経費になります。
経費の概念はだいぶ曖昧なところがありますので、利益につながったことを説明できれば経費として計上することができます。
経費については知りすぎても知りすぎるということはありません。
僕はビジネスを始めた時には税金について全くのど素人でした。
ビジネスを始めて3か月ほどまでは全く税金について考えていませんでした。
というよりは考える余裕もなかったので梱包材、送料で使った金額のレシート・領収書はすべて捨てておりました。
つまり、実際に経費としてお金を使ったにも関わらず使っていないことになり、その分は利益として計上されるため税金を多く払わないといけなくなったのです。
「安く仕入れ、高く売ること」
転売ビジネスで収入を増やしていく上ではどちらも重要ですが、経費をしっかりとつけて節税対策することも収入を増やす重要な手段です。
ただ、経費等を付けるのはとても面倒な作業です。
さらに、素人が行なってしまうと間違える可能性が高い上「どれがどの勘定科目なのか」などかなり時間と精神を消耗してしまうためおすすめはできません。
ですからこれらの事は出来る限り税理士に任せましょう。
僕の場合は、すべて丸投げで依頼しています。
確定申告は税理士へ依頼
たとえば、領収書やレシートはファイルに詰め込んで月末にまとめて税理士に送るといった形を取ることもできます。
これなら、領収書等を残しておくだけですから非常に楽ですよね。
「税理士に依頼するのって高いんじゃ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそこまで高くありません。
僕の場合は初年度の依頼ということもありますが記帳から決算まで全て込みで月額1万円で請け負っていただいています。
ある程度利益が出ているのであれば必要経費として税理士に依頼しましょう。
ビジネスの規模によって税理士にかかる費用は異なってきます。
また、税理士事務所によっても値段設定にバラツキがありますので、必ず3社は無料相談をしたり見積もりを取ることをオススメします。
会計ソフトを使って自分で記帳すると安くなるプランなどがありますがこれはやめておきましょう。
ソフトの利用は手間がかかりますし覚えることが多すぎるからです。
その時間がありましたらビジネスに当てたほうが費用対効果が大きいと僕は思います。
税金はしっかり申告。分からないことはプロへ
さて、今回は個人事業主の税金・確定申告・節税についてのお話をさせていただきました。
個人事業主としてビジネスをされている方は確定申告は必ずしなくてはならないことです。
申告漏れや、虚偽の申告は後々自分の首を絞めてしまうことになりますので、しっかりと経費を計上し節税をすることで税金を減らすことを考えましょう。
また、申告の方法などはプロの方へお任せすることが一番いいと思います。
漏れもありませんし、自分に全く馴染みがないこと興味が持てないことを勉強するよりは、任せられることはお任せし、できた時間を自分のビジネスに充てた方がずっと有意義です。
自分で出来る節税はしっかりとレシートや領収書をとっておくことです。
あとはプロにお任せしてしまいましょう!