ビットコインに投資する投資家には大きく分けて2通りのタイプがあります。
1つ目のタイプは毎月の生活費を稼ぎたいという方。
投資で得た利益は、生活費や趣味に使われる傾向があります。
そしてもう1つのタイプは複利運用で得た利益を再投資に回し資産を大きく築き上げることを目指す方です。
ここでは、後者にスポットライトを当ててみましょう。
そもそも複利運用って何だろう?
複利運用とは
かのアインシュタインは、「複利は人類による最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」という言葉を残したとして知られていますが、そもそも複利や複利運用とはどのような意味なのでしょうか?
複利運用とは、元金を投資することで得た利子をさらに元金として投資することで利子が利子を発生させようになる運用方法です。
例を挙げてみましょう。
トップクラスの投資家やトレーダーは年利30%で運用できるとされます。
元金100万円を年利30%で複利運用した場合投資1年後には130万円となります。
では、これを毎年繰り返すと、1年当たり30万円ずつ利益を生むでしょうか?
そうではありません。
2年目の元金は130万円となっているので投資2年後には合計169万円となり直近1年間で39万円の利益となります。
これは、利子が利子を生んでいるからです。
上記をさらに3年目、4年目と繰り返していくことで雪だるま式に資産を増やすことを目指すのが、複利運用です。
単利運用と複利運用の違い
単利運用と複利運用にはどのような違いがあるのでしょうか?
複利運用は上記で解説した通り、預けた元金に発生した利子をさらに元金に加算して雪だるま式に利益を増やしていく運用方法でした。
それに対して単利運用の場合は預けた元金に利子を加算せず、あくまで最初に預けた元金の利子のみを受け取る運用方式です。
こちらも例を挙げてみます。
元金100万円を年利30%で単利運用した場合、1年後には130万になります。
1年目に関しては単利運用も複利運用も差が無いことが分かりますね。
差が出てくるのは2年目からです。
複利運用の場合は得た利益の30万円を元金に加算していましたが、単利運用では加算せず最初の100万円から発生した利子のみを受け取ります。
つまり単利運用の場合は何年経っても受け取る金額は30万円固定という訳です。
ここからは元金100万円を年利30%で5年間、「単利・複利」それぞれの方法で運用した時の金額の差を計算してみましょう。
経過年数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
複利の場合 | 1,300,000 | 1,690,000 | 2,197,000 | 2,856,100 | 3,712,930 |
単利の場合 | 1,300,000 | 1,600,000 | 1,900,000 | 2,200,000 | 2,500,000 |
差額 | 0 | 90,000 | 297,000 | 656,100 | 1,212,930 |
なんと5年間運用するだけで単利運用より複利運用の方が120万円も利益が多くなるのです。
いかに複利の力が大きいか分かりますよね。
当然、元金の額が大きければこの差はより顕著になるでしょう。
ビットコインで複利運用するメリット・デメリット
ビットコインを複利運用するメリット
ビットコインを複利運用するメリットは、やはり「資産を効率的に増やすことができ、長く続けるほど有利になる」という点でしょう。
上記の単利・複利のシミュレーション結果からも分かる通り、複利運用は単利運用に比べて同じ元金でより多くの利益を得ることができます。
シミュレーションでは5年間での運用でしたが10年、20年と運用していくことで最初の元金からは考えられないほどの莫大な利益を生む可能性を秘めています。
ビットコインを複利運用するデメリット
ただし「何も考えずにビットコインを複利運用していれば利益を得られるか?」と言われると決してそうではありません。
というのも複利運用を行う際は
「長期的に資金が拘束されてしまい、なおかつ運用利益がマイナスだと意味が無い」
というデメリットもあるんですね。
これはビットコイン以外にも言えることですが、利子を再投資する複利運用を行う場合は資金が拘束されてしまうのでお金が必要になった際にすぐに使うことができません。
また、複利運用で元金が増えるということは利益がマイナスになった際のダメージも単利運用に比べて大きくなるということです。
ビットコインを複利運用する際は、メリット・デメリットをよく考えて生活に支障をきたさない範囲の資金で行うことが大切だと言えるでしょう。
ビットコイン投資でも複利運用は有力
複利運用は、主に株式投資や投資信託の書籍などでおすすめされている手法ですが、ビットコインであっても理屈は変わりません。
とはいえ投資信託などとビットコインでは値動きの性質が異なるため株式投資や投資信託とまったく同じように利子を全額元本に当てるべきかどうかは、検討の余地があります。
それは、ビットコインはボラティリリティ(値動き)が大きい傾向にあるからです。
ビットコイン投資の複利運用は慎重に
複利運用は時として、魔法のように紹介されることがあります。
上記のように元金100万円を年利30%で15年運用した場合いくらに膨らむことになるでしょうか?
300万円?1000万円?……
いいえ5116万5893円です。これが、複利運用のすごさですね。
とはいえ冷静に考えてみると、ハイリターンな運用方法は大抵ハイリスクなはずです。
これは先ほどの複利運用のデメリットのお話でも述べましたが、たとえば上記の5116万5893円を元本として投資し16年目に30%マイナスの損失を発生させると元金の100万円からすると考えられないほどの損失額となることが分かります。
そこで、個人的には元本割れのリスクが少ない投資商品に対しては100%複利運用で問題ないものの、
ボラティリティの大きい投資商品に対しては、例えば得られた利益の半分を再投資に、もう半分を貯蓄または別の対象に投資するなどのリスクの分散化を視野に入れた方が良いかと思います。
ビットコインを複利運用する方法
株式投資や投資信託で盛んな複利運用ですが、これをビットコインに応用する場合どのような方法があるのでしょうか?
ビットコイン取引所の売買で複利運用
まずビットコイン投資の王道的な方法が、ビットコイン取引所での売買です。
ビットコイン取引所は株式投資でいう証券取引所に当たります。
ビットコイン取引所で売買を繰り返し利益を得たら元本として再び投資します。
これを繰り返すことで毎年安定的に年利を確保できれば、天文学的に資産が増加します。
積み立て投資で複利運用
次にビットコインを積み立て投資するという方法です。
毎月、できれば毎日の一定時間に収入の一部をビットコインとして積み立てることで少しずつビットコインの保有量を増やし複利運用を狙います。
積み立て投資はドルコスト平均法と呼ばれる「価格が高い時も安い時も変わらず一定額買う」という買い付け方法を採用することで比較的リスクを抑えて運用することができるのが特徴です。
ビットコインは中~長期的に上昇している
ここまで株式投資や投資信託で有効とされる複利運用をビットコインへ応用する方法を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
前述したようにビットコインはボラティリティ(値動き)が非常に大きく、チャートが急上昇したと思ったら急降下するといったこともしばしば起こります。
ですがビットコインが登場した時期から現時点までのチャートを見ると分かるように、中~長期的な目線で見ればビットコインの価値は上昇し続けているのです。
ビットコインの値上がり率と複利運用の効果を合わせることで、より多くの利益を得られる可能性は十分にあると言えるでしょう。
ビットコインの複利運用への挑戦を考えている方は上記をぜひ参考にしてみてください!