「ビットコインのアノマリーにはどんなものがあるの?」
「ビットコインは毎年、年末にかけて上昇し、1月に暴落しているような気がする・・・」
とアノマリーについて気になっていませんか?
そんな方に向けて今回は、以下のポイントについて解説します。
さっそく、詳しくみていきましょう。
ビットコインアノマリーとは
アノマリーとは、明確な根拠があるわけではないものの、投資家に経験則として広く知られている値動きの規則的なパターンのことです。
ビットコインの代表的なアノマリーとしては、「年末にかけて上昇(バブル形成)」「1月に暴落」というものがあります。
株式市場では、「節分天井・彼岸底(せつぶんてんじょう・ひがんぞこ)」というアノマリーが知られていますね。これは、2月上旬に高値を付けて、3月中旬にかけて下落するというものです。
またアメリカでは、「セル・イン・メイ」(5月に株を売却せよ)という格言も有名ですが、これもアノマリーのひとつです。
ビットコインは1月と8月に暴落する?
ビットコインは株式市場と比較して、アノマリーが機能しやすい市場と考えられています。
特に、年末にかけて上昇し「1月に暴落する」というものと、「8月に暴落する」という2つの月における暴落アノマリーが知られています。
以下の画像をご覧ください。
- 1月:January
- 2月:February
- 3月:March
- 4月:April
- 5月:May
- 6月:June
- 7月:July
- 8月:August
- 9月:September
- 10月:October
- 11月:November
- 12月:December
これは2019年に発表された、2010年以降のビットコインの月ごとのパフォーマンス。
年末に近い月は軒並み上昇し、8月と1月はそれぞれワースト1・2のパフォーマンスとなっています。
ビットコインが「1月」に下落する理由
ビットコインが1月に暴落する理由は2つあると考えられています。
1つ目は、中国の旧正月の大型連休である「春節」。日本でいうところの年末年始に相当します。
2021年の春節は2月12日~17日でした。2020年は1月24日~30日でした。
春節で中国人は、レジャーなどの出費を捻出するため、換金性の高い資産を売却することが知られており、ビットコインもその対象となり下落すると考えられています。
またビットコインが1月に下落する理由は、もう1つあります。それは、「税金売り」です。
日本では確定申告の期限が3月15日、アメリカでは4月15日に到来します。
この税金の支払い額が12月末で確定し、「そろそろ用意しておかないと」と意識され始めるのが、確定申告シーズンの始まりである1月から。
やはり、納税資金を作るため、ビットコインが売られると考えられています。
仮想通貨リサーチ企業のデルファイ・デジタルも、この税金売りは1月の下落アノマリーを引き起こしていると考えています。
「確定申告シーズンを迎えると、ビットコインはこれまで他の月に比べてパフォーマンスが低下している。これは、単独では予測と言えるものではないが、注目に値する」
そのほか、1月は(偶然かどうかはわかりませんが)、政府からの仮想通貨の規制強化が発表されることが多く、ビットコインが下落しやすい傾向にあります。
ビットコインアノマリーが示す、最悪の月「8月」
ビットコインの歴史上、「最悪の月」とされるのが8月です。
2010年からの統計上、8月のビットコインのリターンは平均マイナス14%となっています。
- 米国の金融関係者が7月末から夏休みを取る
- 日本は8月からお盆となる
といった背景により、ビットコインが買われにくくなるという理由があります。
これを「夏枯れ相場」などといったりしますね。
ビットコインアノマリーまとめ
仮想通貨業界には、数多くのアノマリーが存在しています。
今回は「月」ごとのアノマリーをご紹介しましたが、たとえば「曜日」ごとのアノマリーも存在しています。
カプリオール社のデジタルアセット・マネジャー「チャールズ・エドワーズ氏」は、ビットコインを買うなら日曜日がいい、と斬新なアイデアを提案。
縦軸は曜日、横軸はビットコインの期間(年)、枠内はそれぞれの特定の曜日と期間における価格(%)を示しています。
ビットコインはこのように、歴史的に「日曜日が安く、月曜日にかけて上昇する」傾向があることから、日曜日に購入すると投資家は高いパフォーマンスを実現できます。
このような値動きになるのは、機関投資家が主戦場とするCME(シカゴマーカンタイル取引所)のビットコイン先物市場が土日にクローズとなるためと考えられていますね。
このように、代表的なビットコインアノマリーを頭に入れておくと、相場を乗りこなすのに役立ちます。
ぜひ、有効に活用してみてくださいね。