こんにちは、阿部です。
2018年7月9日現在、約1週間ほど前からイーサリアムのGas価格が高騰しています。
手数料が高騰すると、イーサリアムネットワークを利用するコストが上昇してしまいますので、早く解消してほしいですよね。
ネット上では状況を受けて「なぜこんなに高騰しているのか?」と話題となっていましたが、その理由は取引所FCoinにあるのではないかと見られています。
どのようなことでしょうか?詳しくみていきましょう。
そもそもイーサリアム(ETH)のGasとは?
イーサリアムのGasとは簡単にいえば、送金をおこなう際などに必要となる手数料のことです。
イーサリアムのGasはネットワークの混雑具合に応じてその価格が自動的に変化します。
- イーサリアム取引量増加 → Gas(手数料)も増加
- イーサリアム取引量減少 → Gas(手数料)は減少
このような仕組みとなっています。
これはイーサリアムだけではなく、ビットコインなども基本は同じ。
ビットコイン価格がピークだった2017年12月頃、ビットコインの送金手数料も送金をためらってしまうほどに高騰しました。
ただし、ビットコインの送金手数料は「ビットコイン」とそのまま呼びますが、イーサリアムの場合、「Gas」(ガス)と呼び方が変わります。
ただし本質的にはまったく同じものですね。
イーサリアム(ETH)の取引量が増加するほど「Gas」も高騰する
先ほど、取引量が多くなるほどGasも高騰し、取引量が減少するとGasも減少すると解説しました。
その考え方からいえば今回のGas高騰も、何らかの理由でイーサリアムが大量に送金されていることを意味しています。
Gasが高騰した当初は、「なぜこれほどまでに手数料が高いの?」とネット上でも話題となっていました。
しかし、最近ではこの高騰が海外取引所FCoinの「投票」が原因であることが分かっています
Gas高騰の原因、「FCoinの投票」とは?
FCoinは海外の有名取引所。
どのコインを新たに取り扱い通貨として「上場」させるのかを、「投票」で決定しています。
その方法は、「トークンを送金する」というもの。
トークンの送金を「一票」と数え、投票を行っています。
取引所にトークンが上場するかどうかは、トークンの価値を決める大きな関心事の1つです。
そのため大量の投票が複数のアドレスから行われ、イーサリアムネットワークを圧迫していたのです。
- ネットワーク「全体」の取引が増加し、Gasが高騰する
- ネットワークが「部分的」に混雑し、Gasが高騰する
Gas高騰には、上述の2つのパターンがありますが、今回はFCoinによるものなので②に当たりますね。
つまり今回の高騰は、慢性的なものというよりも「イレギュラー」なものなので、いずれ解消すると考えて間違いはないでしょう。
利用者が増加するほどGasが高騰する「矛盾」
よく考えてみると、「利用者が増加するほどGasが高騰する」ことに違和感を感じませんか?
話が変わりますが、たとえば、お店で手に入る「商品」は、多くの人に利用されることで大量生産でき、1つの商品あたりの単価は低くなりますよね。
多くの人が利用する乗り物の「バス」は、多くのお客さんが乗車することで、1人あたりの価格を安くすることができますよね。
しかし、イーサリアムではそのような方程式は当てはまりません。
このことを「矛盾」ととらえ不思議に考える方もいます。
結論として、これは仮想通貨がマイニングにより維持され、限られた計算力を奪い合うような設計になっている以上、避けられない「仕様」といえます。
しかしイーサリアムでは「Plasma」「Sharding」などの新技術が開発され、こうしたGas高騰を解消しようという動きが広まっています。
こうした技術が実用化されれば、Gas高騰も解消される日がやってくることでしょう。
Gasが安くなるまで待って送金しよう
今回はイーサリアムのGas高騰の理由についてご紹介しました。
Gas価格が許容できるのであれば送金してもかまいませんが、「ちょっと高すぎるなあ…」と感じる方は、解消してから送金してはいかがでしょうか?