「チャートパターンの三尊天井・逆三尊ってなんだろう?」
「仮想通貨トレードでは特に重要らしいから、覚えたい」
と思っていませんか?
そこで今回は、短期トレーダー向けに以下の疑問について解説。
さっそく、詳しくみていきましょう。
三尊天井・逆三尊とは
三尊天井・逆三尊とは、チャートパターンから今後の値動きを予想する「テクニカル分析」のひとつ。逆三尊は、三尊天井を逆さにした形です。
海外では、三尊天井は「ヘッド・アンド・ショルダーズ」逆三尊は「ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム」として知られています。
さて、三尊はどちらも、トレンド転換のシグナルです。
三尊天井は天井圏で3つの山、逆三尊は底値圏で3つの谷が形成され、いずれも中央がもっとも高い(低い)形になっています。
これは、2つの山が形成されるダブルトップなどと比較すると、「3度試してもトレンドが続かなかった」ことを意味しており、より強い反転のシグナルとなります。
また三尊天井や逆三尊は、他のチャートパターンと違ってきれいに出ることは少ないので、はっきりと形成された場合には、強いシグナルとなりますね。
ちなみに、仮想通貨の投資家は、三尊天井や逆三尊を重視する傾向にあります。
はっきりとした理由はわかりませんが、ビットコインはボラティリティ(値動き)が高いため、三尊天井や逆三尊のシグナルが決まりやすい傾向にあります。
逆にボラティリティが低い株式などでは、三尊天井や逆三尊が出ても、レンジ相場に戻ってダマシになってしまうこともあります。
以下、「三尊天井」と「逆三尊」が出た場合、トレーダーはどうすればいいのかについてみてみましょう。
三尊天井は「売りサイン」
三尊天井は「上昇トレンドが下落に転じるサイン」です。
三尊天井が出ると、3回高値を試したものの続伸できなかったため、投資家は「ここが天井かもしれない」と思い始めます。
そして、三尊天井の安値部分を下にブレイクすると、投資家は「いよいよ反転した」と捉え、手仕舞いの売り注文が一気に出てきます。
そのため、「ネックラインを割れたら売り(もしくは空売り)」が三尊天井のセオリーです。
日本屈指のトレーダーKAZMAX氏もこのパターンを非常に重視するなど、王道パターンなのでぜひ頭に入れておきましょう。
なお、有名な画像に「空売りの構造」というものがありますが、これは典型的な三尊天井です。
割れる前から、「ネックラインを割れたら売り三尊天井の売りシグナルだ」と、割れた後の形を考えておくことが大切です。
逆三尊は「買いサイン」
三尊天井を逆の形にした逆三尊は、「下落トレンドが上昇に転じるサイン」です。
考え方としては三尊天井とまったく同じで、3度回安値を試したものの底堅いと、投資家は「ここが底かもしれない」と思い始めます。
そして、逆三尊のネックラインを上にブレイクすると、投資家は「以前よりも買い圧力が増している」と捉え、買い注文が一気に出てきます。
そのため、「ネックラインを上抜けたら買い」が三尊天井の典型的なシグナルとなります。
ただし、人間の心理として「上昇への期待」よりも「下落への恐怖」のほうが強いので、逆三尊のネックラインを上抜けても、三尊天井のネックライン割れほどは一気に動かないことが多いです。
三尊天井・逆三尊の3種類
三尊天井や逆三尊には、ネックラインが右肩上がりの「切り上げ型」、ネックラインが水平の「水平型」、ネックラインが右肩下がりの「切り下げ型」があります。
三尊天井と逆三尊はどちらも、ネックラインは右肩上がりになるほど上昇圧力が強く、右肩下がりになるほど下落圧力が強くなります。
前回の山を超えてきたということは、それだけ上昇力を持っているということですし、超えられなかったということは、下落圧力が強いことを意味するからです。
ここからは、もう少し具体的にネックラインの角度を考察してみましょう。
切り下げ型
切り下げ型はネックラインを切り下げているので、下落圧力の強い形。三尊天井で切り下げ型の場合は、ネックライン割れで強い売りシグナルとなります。
難しいのが、逆三尊の切り下げ型です。
切り下げていても逆三尊なので買いシグナルではありますが、若干、弱いシグナルと見なす必要があります。
水平型
三尊天井、逆三尊ともに、強いとも弱いとも言えないシグナルです。
切り上げ型
切り上げ型はネックラインを切り上げているので、上昇圧力の強い形。逆三尊で切り上げ型の場合は、強い買いシグナルとなります。
一方で、同様に難しいのが三尊天井の切り上げ型です。
切り上げていても逆三尊である以上は売りシグナルですが、弱めのサインと見なす必要があります。
三尊天井・逆三尊まとめ
三尊天井・逆三尊は、仮想通貨トレーダー必見のシグナルです。
慣れていないと、ネックラインをブレイクしてから「三尊だった」と気が付くことが多くなります。
大きくブレイクしてからエントリーしていては遅いので、すぐに発見できるよう普段から意識してチャートをみてみましょう。