2017年は“仮想通貨元年”といわれ、数多くの仮想通貨がICOにより誕生しました。
そのほとんどは資金調達のため「企業」が実施するICOですが、最近、ベネズエラなどの1つの「国家」がICOを実施するケースも目立つようになりました。
そんななか、流れを加速させるかのようにマーシャル諸島共和国が独自仮想通貨「ソブリン」の発行を決定。
いったいどういった仮想通貨なのか、詳しく見ていきましょう。
マーシャル諸島共和国「ソブリン」発行へ
人口53000人の小さな国家、マーシャル諸島共和国は2018年末までにオリジナルの仮想通貨「ソブリン」(Sovereign)の発行します。
マーシャル諸島共和国のケネス・ケディ国会議長は、すでにソブリン発行の法案が可決したと公表。
ほぼ決定事項ですね。
国家によるオリジナル仮想通貨は、通常の仮想通貨とは異なり、どちらかというと法定通貨のデジタル版ともいえる性質を持っています。
つまり、特定の管理者が存在しないことで高く評価されている仮想通貨ですが、ソブリンはそういった通貨とは真逆の方向性を持っているといえます。
さて、国家による発行の仮想通貨は、トルコや中国も検討中とされていますがソブリンには、どういった特徴があるでしょうか?
明らかになりつつあるソブリンの特徴
ソブリンは先日に法案を可決したばかりであるため、明らかになっていない部分や不透明な部分もあります。
しかしながら、ほとんど確実とされる情報もあり、以下にその内容を列挙してみます。
- 通貨名:ソブリン(SOV)
- 発行上限枚数:2400万枚
- まもなくプレセール開始
- マーシャル諸島の法定通貨「アメリカドル」と平行して流通
- 匿名性はなく、所有者などが特定可能
- マーシャル諸島共和国の人口53000人が利用
- イスラエル企業Neemaがソブリンを開発
- ICOで得た資金の一部は福祉分野(医療費・将来への投資)へ投入
マーシャル諸島共和国がソブリンを発行する狙いは?
本来、マーシャル諸島共和国の法定通貨はアメリカドルです。
「米ドルはアメリカのお金じゃないの?」と思いがちですが、世界でもっとも力のある通貨である米ドルは、人口が少ない国や、経済の観点から独自法定通貨を発行するメリットが少ない国などで自国通貨として採用されるケースもめずらしくありません。
とはいえ、やはりできることなら国家はオリジナル法定通貨を流通させたいと思っています。
たとえば日本は、「日本円」というオリジナル法定通貨があるからこそ、自由にお金を発行したり、逆に金融引き締めをおこなったりできますよね。
本来ならオリジナル法定通貨の発行は簡単なことではありませんが、仮想通貨やICOを用いることで比較的容易になるため、マーシャル諸島共和国がそこに目をつけたといったところでしょう。
マネーロンダリングや脱税対策も完璧?
また、ソブリンの特徴としてあげられるのが既存の仮想通貨よりも匿名性が低くなっておりマネーロンダリングや脱税の対策がうかがえるということです。
匿名性が高いコインは、違法行為への利用が心配されます。
国民に違法行為を回避させるため、ビットコインなどよりも国家が発行した仮想通貨の利用を促したい狙いはどの国も同じなのかもしれません。
国家も大注目の仮想通貨業界
近年、国家によるICOや仮想通貨の発行が目立つようになりました。
これは、ブロックチェーンに確固たる将来性があるということや、仮想通貨にセキュリティ上の問題がないということの証明ともいえます。
まもなくプレセールが開始されるマーシャル諸島共和国のソブリンはもちろん、仮想通貨への移行、ブロックチェーンへの移行という世界全体の流れにも投資家としては敏感でいたいところですね。
今回は、マーシャル諸島共和国のソブリンについてご紹介しました!