こんにちは、阿部です。
マネーロンダリングやテロ援助などの犯罪に使われやすいとされる「匿名性コイン」。
ビットコインなども匿名性がやや高い設計となっていますが、モネロやジーキャッシュなどの匿名性コインは、送金先すらもカモフラージュという徹底ぶり。
より匿名性が向上しています。
そして先日コインチェックが、匿名性コイン3種類を取り扱い通貨から除外すると発表しました。
それによって心配されるのが、やはり価格への影響です。
しかし、短期的には値下がりすることはあっても、長期的な相場には影響はないと見ています。詳細についてご紹介しましょう。
やはり規制された「匿名性コイン」
先日、国際的な仮想通貨に対する規制を話し合ったG20会議が終了しました。
具体的な規制が進むこととなれば、価格の下落は避けられない状態でしたが、G20で「具体的な規制は(現時点では)実施しない」方針で決定。
正直、ほっとした投資家も多いのではないでしょうか。
しかし、次から次へと新たなニュースがやってくるのがこの業界ですね。
上述したように、コインチェックが匿名性コイン3種類の上場を除外します。
- モネロ(Monero)
- ジーキャッシュ(Zcash)
- ダッシュ(DASH)
の3種類です。
匿名性コインはマネーロンダリングなどに利用されやすい性質も。
そのため規制のリスクがあることが以前から指摘されていましたが、やはりというべきか、今回コインチェックで規制される運びとなってしまいました。
「送金先を追跡できない」はメリットか?
モネロなどの仮想通貨は「匿名性コイン」と呼ばれていますが、なぜそう呼ばれているのかと聞かれて、すぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。
たとえば、違法サイトなどのダークウェブ(麻薬や拳銃など…さまざまな違法な商品が扱われている)の取引には、匿名性コインが使われているといわれています。
しかし同時に、ビットコインなど一般的な仮想通貨もダークウェブで普通に使われています。
ビットコインは匿名性コインではないものの、「誰の所有か」までは分からないという一定の匿名性があるので、違法サイトなどにも利用できてしまうのです。
それでは、モネロ・ジーキャッシュ・ダッシュなどをわざわざ区別して「匿名性コイン」と呼んでいるのはなぜでしょうか。
それは、「送金先が分からない」からです。
誰に送ったかはもちろん、どのウォレットに送ったのかすらもカモフラージュします。
ビットコインなどの一般的な仮想通貨よりも、さらに違法取引に使われやすいのはこのためなのです。(もちろん、違法行為のために匿名性コインが開発されたわけではありません!)
価格への影響は「長期的」には無い?
コインチェックでの匿名性コイン取り扱い除外に話を戻しましょう。
取り扱い除外となると、より多くの人に利用してもらうという仮想通貨にとって最大の目的から離れることになるため、相場の下落へと繋がることが簡単に想像できると思います。
特に、モネロ・ジーキャッシュ・ダッシュに投資している方は、売るべきか売らざるべきか、気が気でない状態かもしれませんね。
しかし、「上場取りやめによる下落」の可能性は短期的には“yes”であるものの、長期的には“No”だと考えています。
ビットコインやイーサリアムなど一般的な通貨においても、将来的には、「匿名性コイン」と呼べるほどの高い匿名性が導入される可能性がおおいにあります。
仮にそうなった場合、果たして、現在の匿名性コイン(モネロ・ジーキャッシュ・ダッシュ)だけが規制され続けるでしょうか。
値下がりし続けるでしょうか。
そのようなことはありませんよね。
そのため、今回のコインチェックによる匿名性コイン除外によって、長期的な相場価格への影響はないだろう、と今のところは予測しています。とはいえ、今後の動向には注意していきたいところです。