仮想通貨の運用上のリスク7つとその対策方法!
それは、投資のリターンは、一定のリスクを引き受けることが条件だということです。
「値下がり」リスクなどの代表的ものはもちろん、普段あまり意識しないようなリスクも多く存在しています。
リスクを抑えていくことは、リターンを増やしていくことと表裏一体。
どのようなリスクがあるのかをあらかじめ把握し、リスクを抑えながらリターンを狙っていきましょう。
1つの仮想通貨が暴落するリスク
仮想通貨におけるもっとも代表的なリスクが「値下がり」リスクです。
価格(の変動)は相場(市場)が決定するため、基本的に投資家にはコントロール不可能です。
多くの仮想通貨は価格変動が大きく、暴落に直撃した場合のリスクは株式投資やレバレッジを用いないFXよりも大きくなりがちです。
これは仕方のない部分ですが、投資家自身でできるシンプルな「リスク軽減方法」がありますので、以下にご紹介したいと思います。
複数のコインに分散投資する
「卵はひとつのカゴに盛るな」という有名な格言をご存知でしょうか?1つのカゴにたくさんの卵を盛ると、その1つのカゴが転けてしまっただけで卵が全滅です。
ですので、投資対象を複数に分散させることが有効です。
この格言は、もともと株式投資のものですが、仮想通貨投資においてもそっくりそのまま当てはまることです。
人によっては、「必ず〇〇コインは値上がりする!」などという強い愛着を持つあまり、その将来性を過信しがちになったりしますが、複数のコインへの分散投資を進めていくことが、仮想通貨の投資家として利益を拡大し、長く生き残るためには大切になります。
安定しているコインの比率を高めに設定
複数のコインへの分散投資を進めていく上で、成績に直結するのが「ポートフォリオにおけるコインの割合」です。
ポートフォリオは、資金がどのようなコインで構成されているかを示す全体像(割合)です。
いくら分散投資されていたとしても、ポートフォリオすべてにおいて時価総額下位のマイナーコインが占めているのではバランスが悪すぎます。
たとえば、投資信託の例では、ファンドはプロのファンドマネージャーが組むポートフォリオによって運用されています。
このような投資信託を分析すると、信頼性が高く安定した日本株や先進国株式、先進国債券などを中心としていることがわかります。
そして、ごく一部(たとえば全体の20%など)を、成長性の高い新興国市場の株式や債券に当てるようにします。
これによって、安定感と成長性を両立させることが可能になります。
プロのファンドマネージャーを参考に、暗号通貨においても安定性の高いコインを中心に投資をしていくことをおすすめします。
マイナーコインやICOの割合はどんなに高くても20%、その他の80%は時価総額上位のコインを選択するのがリスクを抑えることにつながります。
塩漬けコインになってしまうリスク
仮想通貨が暴落するリスクについて上述しましたが、暴落とまでは言わないまでも、ジリジリと目減りしていくコインは多くあります。
この場合は、目立った悪材料や事件があったわけではないため売りにくいのが特徴で、そのまま売らずに持ち続ける人も多いようです。
しかし、理由もなくジリジリ値下がりするコインは、その後、二度と復活しないパターンも多くありますので、状況を見ながら売却するのも一つの選択でしょう。
損切りラインをしっかり決めておこう
このようなコインを保有したままにしておくと、言うまでもなく「塩漬けコイン」になってしまいます。
心理状態として、購入金額(買付単価)を考えるとバカバカしくて売る気にはなれません。
しかし、実際のところ、塩漬けコインの資金は有効活用(運用)されていないので、売らなくてもロスであることに変わりありません。
そのため、このようなコインは早めに売ってしまったほうが良いことが多いです。(一時的な値下がりを想定している場合は長期投資などでも良いと思いますが。)
また、塩漬けコインを作らないためには、「損切りライン(ストップロスオーダー)」を予め定めておくことが重要です。
そして、そのラインを超えたら何も考えずに機械的に売ってしまいましょう。
どの程度の水準が損切りラインになるかは状況により異なりますが、「購入金額からマイナス20%」が一つの目安になるのではないでしょうか。
そして、長期投資ならマイナス20%より広めに、短期投資なら20%より狭めに、というアレンジがおすすめです。
レバレッジにより増大するリスク
暗号通貨に投資する際は、メジャーコイン(ビットコインやイーサリアムなど)かマイナーコインかを問わず、そのボラティリティ(価格変動)の大きさを理解しておくことが必要です。
暗号通貨は株式投資に例えると、もっとも値動きの激しい部類の小型株程度のボラティリティがあります。
さらに仮想通貨は「ストップ安」と呼ばれる1日の値幅の規制がないので、理論的には1日で半値にもそれ以下にもなり得るのです。
基本的には少額からレバレッジなしで
暗号通貨の投資を始めてしばらく立つと「大体この程度のボラティリティなんだな」という感覚が分かってきます。
それによって、これくらいなら投資してもOKという目安(感覚)を感じられるようになります。
しかし、その感覚が危険なケースもあります。
もちろん、その感覚は大切にしていただきたいのですが、忘れてはいけないのが「ずっとそのボラティリティが維持されるわけではない」ということ。
何らかの値下がり要因が突如として現れ、すべてをさらっていく可能性もあります。
そういった点を、ぜひ、頭の片すみに置いておきましょう。
仮想通貨はFXのようにレバレッジが利用できますが、慎重に検討する必要があります。
ただでさえボラティリティの高い暗号通貨です。
レバレッジを利用する必然性は、利益目標にもよりますが「ほとんどない」のではないでしょうか。
ロング(買い)かショート(信用売り)かを問わず、レバレッジの導入はリスク大であるという認識を持ちましょう。(とはいえ、必ずしもレバレッジがいけないわけではありませんが。)
マイナーコインの流動性リスクを知る
名前を初めて聞くようなマイナーコインの場合、流動性に乏しいケースがめずらしくありません。
むしろ、流動性が十分に確保されているコインの方が少ない状態です。(特に海外のマイナーコインのラインナップが多い取引所の場合は。)
流動性は、取引所での「取引量」に由来する「売買のしやすさ」を指します。
取引が少なすぎる場合は、売ろうとしても売れない(買えない)といったリスクが生じます。
また、売れた(買えた)場合も不利な価格で約定することが多くなってしまいます。
それでは、マイナーコインへ投資する場合はどうすればよいのでしょうか?まず、流動性のリスクを確認するため「価格チャートが滑らかかどうか」を確認します。
時間軸を短くすると価格が飛んでいたりと、明らかに滑らかではないコインは注意が必要です。
スムーズな取引に必要な流動性は、希望の購入(売却)量にも影響します。
流動性が低いコインであっても、取引したい量が少なければ問題ありません。
具体的には、そのコインの1日の取引高(流動性)は、取引したい金額の50倍を目安とするとよいでしょう。
50倍以上であれば、さしあたって安心です。(たとえばマイナーコインを1BTC分購入するなら、1日の取引高が50BTC以上あると安心です^^)
マイナーコインのほったらかし投資はリスク大
基本的に、投資をしている限り「どんな材料が出るかわからない」という前提があります。
実際、ビットコインなどメジャーなコインですら、ハードフォークの危機などに市場が揺れています。
したがって、マイナーコインなら、なおさら安心できません。
少なくとも価格のチェックと、基本的なニュースサイトの確認は欠かさずに行なうことをオススメします。
暗号通貨業界は、変化が非常に激しい世界です。
「ほったらかし」投資は1つの戦略ですが、長期投資が前提であっても、常に情報収集はしておきましょう。
ICOから上場しないリスク
ICO(プレセール)は、新しい暗号通貨の売り出しです。
株式投資でいうところのIPO(新規公開株)に当たるものです。
暗号通貨全体の数が現在の10分の1程度の頃(アルトコインが少なかった頃)は、ICOの成功率も比較的高かったのですが、今となっては「オリジナリティ」と「ビジョン」のあるコインしか上場しなくなっています。
つまり、ICOに参加するということは、常に上場しないリスクとも隣合わせということです。
上場しなければ紙切れ同然の価値(厳密には紙切れにもならない)となり、投資金額がそっくりそのまま損失となります。
また上場した場合も、ICOのお金を支払ってから上場するまでの期間は資金が遊んでいるので、その間に上場済みコイン(イーサリアムなど)で得られる利益以上にICOが値上がりしなければ美味しくありません。
このようにいくつもの壁が存在するのがICOの現実。(もちろん、有望なICOも数多くあります。もし参加するならこのようなリスクを理解した上で参加するようにしましょう!)
割高なコインを掴んでしまうリスク
暗号通貨にかかわらず、「投資」には割高なものを購入してしまうリスクがあります。
とはいうものの、そもそも「割高」や「割安」とは、どのようなことでしょうか?
勘違いしがちな認識に「価格が高いコインが割高」「価格が安いコインが割安」というものがあります。
もちろん、これはまったくの誤りです。
他のコインと比較して高い(安い)ことや、そのコインの過去と比較して高い(安い)ことは、割高(割安)とは関係がありません。
そのコインの本来の価値に着目
それでは、どのような基準を持って「割高」「割安」と判断するのでしょうか?
そのためにはコインの「本来」の価値を見ていく必要があります。
したがって、割高なコインを掴まないために考えるべきことは、そのコインが過去の値動きと比較して高いかどうか?などではなく、本来付けられるべき価値(価格)と比較して高いかどうか?です。
裏を返せば、割高な天井に近いコインを掴まないためには、そのコインがどのようなコインなのか?について知る必要があるということ。
もちろん、ビットコインは〇〇円が適正価格だ!などと正解を探すことは困難です(専門家でもほとんど不可能です)が、本来価値が上がるような好材料がないにもかかわらず急激に価格が上がっている場合、「買いが買いを呼んでいる」だけであることが多いものです。
このような場合は、天井に近い可能性も高いですので、その市場への参入は慎重に検討する必要があるでしょう。
HYPE投資は利用前に徹底的に調べる
まず、初めに、HYPE投資と暗号通貨投資はまったく別のものです。
ですので、HYPE投資のリスクをここで解説することは少し余談になるかもしれませんが、こちらはビットコイン建てで支払われることも多いため、勘違いしやすくなっていますので、念のため確認しておきたいと思います。
HYPE投資は詐欺も多い
HYPE投資を利用しなくても、通常の暗号通貨で大きな利益を狙うことは可能です。
しかし、アルトコインの買付余力などでビットコインを保有していると、それをHYPE投資に投入して有効活用したくなる方があるもしれません。
しかし実際のところ、HYPE投資はかなりハイリスクです。
なぜなら、運営元がビットコインを持ち逃げする前提で投資を募っていることが多いからです。
もちろんすべてのHYPE投資が詐欺というわけではありませんが、信頼性が高いといわれていたHYPE投資の案件も次々と閉鎖されている事実もありますので、オススメできません。
信頼できるHYPE投資を判断できる方は、それを分散投資しつつタイミングを見計らって乗り換えていけば利益を出すことも不可能ではないでしょう。
ただ、それだけのことを長年続けていくのはかなりの目利きと「運」が必要になってきます。
HYPE投資の実情はそのようなものだということを、ぜひ理解しておきましょう。
上場した後の値崩れに注意する
ICOへの投資は「上場しないリスク」が大きいことを解説しましたが、では、上場すれば安心なのかというとそうでもありません。(また、上場したばかりのコインを購入すれば、その後値上がりするのではないか?と考えがちですが、これも同じ理由で慎重に検討する必要があります)
実際、上場した瞬間こそ注目されるものの、ほとんどのコインはその後ジリジリと弱くなる現状があります。(暗号通貨の業界全体を見てみると、上場後も勢いを保てるコインのほうが少ないことがわかります。ちろん、ポテンシャルが備わっている本物の暗号通貨の場合は、上場後もグングン値上がりしていきますが。)
上場した瞬間の値上がりで売り抜けることができれば利益になりますが、上場した瞬間から値下がりするケースも多く、その場合は、利益すら得られないかもしれません。
それでは、上場して間もないコインに投資していく戦略はよくないのか?というと、そういうわけでもありません。
上場後、間もないコインへの投資は、すぐ売り抜けられる点においてICO(プレセール)への投資よりもフットワークが軽いので、
- オリジナリティがある(現存の焼き増しのようなコインではない)
- 普及していく現実的なビジョンがある
という条件を満たしたコインの中で「これは!」というものがあれば、検討すると良いと思います。
ただし、上場後間もないコインは、現存のコインのような実績が皆無。価値が確実なものではないため、どのような相場になるかは予想が難しいものです。
ですので、ストップロスオーダーを設定するなどの対策を忘れないようにしていくことが大切になります。