こんにちは、阿部です。
取引所でチャートを見てみると、ビットコインはここ数ヶ月ほぼ横ばいに価格推移しています。(2018年6月執筆時点)
一方、イーサリアムでは、やや右肩上がりに推移してきており、最近の相場を考慮すると好調な値動きといえるでしょう。
ビットコインとイーサリアムはどちらも業界を代表するコインですが、最近の値動きでは、明暗が分かれています。
その差が生まれる要因はどこにあるのでしょうか?
ビットコインとイーサリアムのチャート比較
ビットコインとイーサリアムのそれぞれのチャートを改めて確認してみましょう。
まずは、ビットコインから。
このように、だらだらと横ばいの推移を続けています。
レジスタンスラインを引いてみると、割り込む様子はまだありませんので、底値はある程度しっかりとしていそうです。
続いて、イーサリアムをみてみましょう。
このように、ビットコインと比較したチャート(黄)と、USD(米ドル)と比較したチャート(緑)が、それぞれ表示されています。
どちらも値上がりを示しており、ビットコインに対して好調な値動きとなっています。
ビットコインが横ばいで推移する理由
ビットコインはいったんは、底値を打ったようなチャート形状が見られましたが、その後もパッとしない値動きです。
その理由の1つは、マウントゴックスによる売り圧力です。
今後1年続く?!マウントゴックスの売り圧力
マウントゴックスは不祥事により破綻した取引所として知られています。
現在も資金の整理のため、保有しているビットコインを市場で売りさばいています。
その額は、これから売り切ると見られているビットコインのみで13万枚。
日本円にすると約1000億円ともなる大金です。
これだけの額を売り切るためにはかなりの時間がかかるので、今後1年以上はビットコインは売り圧力に悩まされる可能性があると考えられます。
市場の投資家もそれをしっかりと理解しており、いまは身動きが取りづらい状況です。
イーサリアムが好調な値動きである理由
一方、イーサリアムのチャートが、ビットコインよりもしっかりとした値動きとなっている理由をみていきましょう。
市場の投資家は、以下の理由から、最近ではビットコインよりもイーサリアムを評価する傾向があります。
①ICOのプラットフォームとして需要がある
投資家がICOに参加しようと思ったとき、まず手に入れる通貨はイーサリアムです。
同じように、ICOを主催する企業も、ほとんどのケースにおいてイーサリアム上でトークンを発行します。
「ICOといえばイーサリアム」という図式が誰の中にもありますよね。
これは非常に強力です。
こうした明確な需要があるからこそ、仮想通貨市場全体の下落相場の中でも「粘れる」ということなのですね。
②イーサリアムは「使われる理由」が見えやすい
最近ではビットコインよりも、イーサリアムのほうが先に、実用段階に入るのではないかという意見が大きくなっています。
ビットコインは決済(支払い)に向いたものですが、「ビットコインでなければ実現できない」という価値は少なく、ほかの仮想通貨でも代替しやすいのです。
しかしイーサリアムは、ICOのプラットフォームとなったり、スマートコントラクト(契約の自動化)など独自の経済圏を獲得しやすい仕組みです。(※サービスを使うときに、イーサリアムの保有が必然になりやすい)
これが投資家のウケがよい理由となっています。
「イーサリアムなら間違いない」という空気も
ビットコインのチャートが横ばいの推移であるのに対し、イーサリアムのチャートは値上がり傾向にある理由について考えてきました。
上述のような理由から、「最近はイーサリアムだよね」という空気が広がり始めているところがあると思います。
事実、イーサリアムは「間違いがなく」「ベター」な投資対象といえるコインの1つです。
ただし、仮想通貨業界のトレンドはすぐに変化していくので、必ずしも現在のトレンドが継続するとは限らない点に注意したいですね!