こんにちは、阿部です。
2018年1月、国内大手取引所のコインチェックから仮想通貨「ネム」が580億円相当流出しました。
「マウントゴックス事件のような流出事件は二度と無い」と信じていた人々からは、驚きの声が多く聞かれました。
ということは、国内においてコインチェックの「さらに次の流出事件」の可能性があるのではないか、と考えるのは自然なことです。
業界におけるセキュリティの注目度や、金融庁からの指導が厳しくなってきていることから、再発の可能性はかなり低くなっていると考えられますが、現在の状況はどうなのか。
詳しくみていきましょう。
コインチェック事件により逆にリスクが減少?
投資家の間で、コインチェック事件の発生により、今後、仮想通貨が流出する可能性が低くなったのではないかという意見があります。
コインチェック以外の取引所がコインチェックの二の舞とならないよう努力することや、世間の目、金融庁からの指導が強力に働くようになったからです。
個人的には、「今後、100%仮想通貨が流出しない」と言い切ることは残念ながらできないと考えています。
しかし、信頼できる大手取引所において、コインチェックのような事件が発生する可能性は大幅に減少したのではないかと思います。
理由は上述のとおり、取引所のセキュリティに厳しい目が向けられるようになったからです。
Mr. Exchangeと東京ゲートウェイの申請を金融庁が却下
Mr. Exchangeと東京ゲートウェイという2つの取引所は、取引所を運営するのに必要となる「仮想通貨交換業者」の申請を金融庁に行っていました。
しかし、金融庁は2つの取引所の申請を却下。
登録を許可しませんでした。
コインチェック流出事件そのものもずさんな管理が原因で起きたとされているため、金融庁は取引所の体制については厳しい目を向けています。
2018年3月だけでも、上記2つの取引所に加えてさらに3つの取引所が仮想通貨交換業者の申請を却下されています。
【3月8日に申請を却下された取引所】
- ビットステーション
- ビットエクスプレス
- 来夢
【3月29日に申請を却下された取引所】
- Mr. Exchange
- 東京ゲートウェイ
さらに金融庁は、みなし業者(仮想通貨交換業者に登録されていない取引所)すべてに立ち入り調査まで行っています。
国内の取引所にとっては、まさに過去にはない完璧なセキュリティと内部体制が求められているといえるでしょう。
各社がセキュリティに対する声明を発表
コインチェック事件を受けて、顧客のセキュリティ意識は一気に高まりました。
多くの顧客は「セキュリティの低い取引所は使わない」という選択をします。
そのためいくつかの取引所は、セキュリティに対する声明を発表し、安心安全を証明しています。
たとえば、bitFlyerは「セキュリティファースト主義」を発表したり、安全に保管できる「コールドウォレットの保管比率」を公表したりしています。
またbitbankでも、コールドウォレットの比率に加え、どの仮想通貨でマルチシグ(高セキュリティシステム)に対応しているのかを発表しました。
セキュリティの透明性が高くなったことにより、顧客の安心感は以前より増しているといえるでしょう。
コインチェック事件でセキュリティは向上
ある取引所のセキュリティ体制、流出事件の発生確率について100%正確に予測することはできません。
ある程度までは予測できますが、セキュリティのすべてを知っているのは運営会社のみでしょう。
しかしその前提で、コインチェック事件を境目として、セキュリティそのものが向上していることは一般的に疑いようがないと思います。
具体的にいえば、仮想通貨の流出事件も発生しくくなっているはずです。
そのため、これから仮想通貨投資を始められる方はそれほど神経質になる必要はありません。
取引所そのもののセキュリティを心配するよりも、ご自身によるパスワードなどの適切な管理こそ重要といえるでしょう。
仮想通貨を始めるのが不安だった方は、ぜひ参考にしてみてください!