ビットコイン先物とは?仕組み、現物との違い、種類、対応の取引所

仮想通貨用語解説

「ビットコイン先物ってなんだろう?」

現物取引や、証拠金取引との違いについても知りたい」

とビットコイン先物について疑問を感じていませんか?

そこでこの記事では、ビットコイン先物における以下のポイントについて徹底解説。

この記事でわかること
  • ビットコイン先物取引とは?
  • ビットコイン先物の仕組みと特徴
  • ビットコイン先物に対応している取引所

さっそく、詳しくみていきましょう。

ビットコイン先物とは

ビットコイン先物とは、言葉どおり「ビットコイン」を「先物」で売買する市場のことです。

先物取引とは、ビットコインの「将来」の価格を予想する取引のこと。

ここでいう「将来」は、あらかじめ定められた限月(期日)のことをいいます。

投資家は「限月」になると強制的にポジションを解消しなければならないのが大きな特徴です。

もちろん、限月の期日より手前なら、いつでもポジションを解消することはできますが、限月を越えてポジションを持ち続けることはできません。

では、なぜビットコイン先物という市場が設けられているのでしょうか?

ビットコイン先物の仕組みと必要性

ビットコイン先物では、未来(特定の期日)に、ビットコイン現物を買ったり売ったりする権利を売買しています。

たとえば、1ヶ月後に期日が到来するビットコイン先物を買ったら、1ヶ月後までには、必ず反対売買してポジションを決済しなければなりません。

なぜなら、ポジションの反対側にいる「ビットコイン先物をショート(空売り)した人」との約束を果たさなければならないからです。

もう少しわかりやすくするために、先物取引の発祥について考えてみましょう。先物取引の発祥は、日本の江戸での「お米の取引」だったとされています。

お米の生産者は、春からお米を作りますが、秋の収穫時にいくらでお米が売れるのかが分からないので、とても不安です。

そこで、「お米は値上がりする」と考えている投資家に対し、お米の生産者が「秋に、お米を1万円で買える権利」を売ります。

この秋が、先物取引でいう「期日」ですね。

これによって、お米の価格が1万円以下だとお米の生産者が得をします(ちゃんと予定価格の一万円で売れる)。

一方で、1万円以上になると投資家が利益を得ることになります。

お米は現物なので、春にはまだ収穫されていませんが、先物取引のおかげでチャートで春から売買をすることができます。

ビットコインにも同じく、生産者(ビットコインを採掘しているマイナー)がおり、マイナーはビットコインが下落しないかを懸念しています。

そのため、ヘッジのためにビットコイン先物を空売りするマイナーも多くいます。

これによりマイナーは、ビットコインが下落しても「今の価格で未来(期日)にビットコインを売れる権利」を手に入れたことになるので、ビットコインが下落しても問題はないのです。

「現物」や「証拠金取引」との違い

では、ビットコイン先物市場は、「現物」や「証拠金取引」と何が違うのでしょうか?

まず現物取引との違いは簡単で、

  • 現物取引でビットコインを買った場合:ビットコインを今、買ったことになる
  • 先物市場でビットコインを買った場合:期日が到来した日に「今の価格でビットコインを買える権利」を買ったことになる

ということです。

商品の性質としては、ビットコイン現物は「買い」のみで空売りはできず、レバレッジもかけられませんが、ビットコイン先物は両方とも可能となっています。

また、証拠金取引との違いについては、証拠金取引には期日がありませんが、ビットコイン先物には期日があります。

ビットコイン先物の特徴

ここからは、ビットコイン先物の特徴について解説します。

特徴①レバレッジがかけられる

ビットコイン先物は、あくまで「権利」を売買しているため、レバレッジをかけて、手元にあるお金よりも大きな取引を行うことができます。

このレバレッジは取引所によって違っていて、国内の取引だと「4倍」が目安になります。

たとえば、1万円を取引所に入金すると、4万円分のビットコイン先物を買ったり売ったりすることができます。

海外のビットコイン先物市場では、bybit(バイビット)やBitMEX(ビットメックス)が最大100倍ものレバレッジを提供しています。

ただしレバレッジをかけると、損失もその分大きくなります。

損失が大きくなると、ビットコイン先物の「期日」までに強制的にロスカット(ポジションを解消)させられることもあるので注意しましょう。

特徴②空売りできる

ビットコイン先物を提供している取引所では、もれなく「空売り(ショート)」をすることができます。

ショートポジションを保有してからビットコインが下落したタイミングで買い戻すことで、利益を得ることが可能です。

特徴③スワップ金利が発生する(期日なしの場合)

先ほどお話したように、ビットコイン先物には限月と呼ばれる「期日」があります。

しかし、「無期限先物」と呼ばれる期日が存在しない先物取引もあります。

その場合、スワップ金利(資金調達率)呼ばれる手数料のようなものを、買いポジション保有者と、売りポジション保有者の間で受け渡しする必要があります。

これは、ビットコインの現物価格と先物価格を一致させる必要があるからです。

たとえば、無期限先物のビットコイン価格が、ビットコイン現物価格上回っている場合は、「買い手→売り手」に手数料を支払うことで、買い手にペナルティを与え、売り手にインセンティブを与えます。

これにより、先物価格をコントロールします(下回っている場合は、その逆を行います)。

もちろん、「限月のある通常のビットコイン先物」には、スワップ金利という仕組みはありません。

なぜなら、市場参加者は、限月がある場合「期日になったら、ビットコイン現物を買ったり売ったりする権利が実行される」(ビットコイン「現物」と紐付いている)と知っているため、勝手に連動するからです。

逆にいうと、限月がない無期限先物はビットコインと永久に紐付かない(そのままだと、ビットコイン先物とは呼べない)ので、スワップ金利でコントロールする必要があるのです。

ビットコイン先物の取引所

ビットコイン先物は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)や、米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が有名です。

しかし個人投資家が取引する市場としては、海外取引所のbybitがおすすめです。