こんにちは、阿部です。
ネムの流出事件を起こしたコインチェックが、匿名通貨3種類(Monero・Zcash・Dash)に加え、Augurの取り扱いを6月で廃止すると発表しました。
「合計4種類が買えなくなるのは残念」という声が上がっていますが、「ただ残念なだけ」ではなく「価格(相場)への影響」も考えられるところです。
こういう視点からこのニュースをみていきましょう。
Monero、Zcash、Dash、Augurが上場廃止
コインチェックは事件の収束を図り取引所の再開を目指していますが、決定事項として「Monero、Zcash、Dash、Augurの上場廃止」があります。
そのうちの3種類(Monero、Zcash、Dash)は、匿名通貨のくくりに入ります。
匿名通貨(匿名性コイン)とは、取引内容(だれがだれに送金したかなど)が外部から見えない仕組みとなっている仮想通貨ですよね。
4つのコインを廃止にすることで運営を縮小するのは、コインチェック流出事件を考えると妥当です。
しかし、そのうちの3種類が匿名通貨であるということに、「特別な意図」を感じるという方もいらっしゃるでしょう。
また別の問題として、コインチェックは「初心者層の取り込み」という意味で影響力が大きい取引所です。
取引所の操作が分かりやすいこと、親しみのある芸能人を起用したテレビCMなどで、新規ユーザーを次々に取り込んでいました。
そのため、コインチェックの再開後、上場廃止されるMonero、Zcash、Dash、Augurで、価格への影響も出てくると考えるのは自然なことかもしれません。これらの問題について、実際のところはどうでしょうか?
上場廃止は悪材料になる?
Monero、Zcash、Dash、Augurなどは上場廃止のため、価格の下落が心配されています。
しかし、個人的には上場廃止を理由としての下落はそれほど心配がないと考えています。
コインチェック上場廃止の影響は少ないと考えられる理由
なぜなら、コインチェック上場廃止のみがMonero、Zcash、Dash、Augurなどの材料ではないからです。
コインチェックが以前のように営業している状態で上場廃止が発表されたなら影響は大きいですが、取引が停止している現状、それほど価格への影響は大きくありません。
またアメリカでは、「ビットライセンスを取得している取引所にZcashが上場する」という事例がありましたので、コインチェックの上場廃止は世界的にはそれほど大きなニュースとはいえない状況です。
コインチェックで上場廃止されたからといって、「匿名通貨は終了だ!」とは思わなくてもよいでしょう。
匿名通貨の廃止理由は金融庁がらみ?
なぜコインチェックで匿名通貨が廃止されたのか?その理由は、ストレートにいえば「金融庁がらみ」であるといわれています。
匿名通貨はプライバシーが高い守られるのがメリットです。
ですがその反面、透明性が低く、犯罪者に目をつけられ利用されるケースが多いことが指摘されています。
コインチェックはもともと、「仮想通貨交換業者」の指定を受けるため、金融庁にその申請を行っていました。
ですが、「匿名通貨を取り扱っている」ことから審査に通りにくい状況が続いていたとされています。
いずれにせよ、「仮想通貨交換業者」への登録を済ませてから取引所を再開する方針のコインチェックとしては、Monero、Zcash、Dashといった匿名通貨の廃止は避けて通れないとの判断でしょう。
コインチェックは2018年6月再開を目指す
今回は、コインチェックでMonero、Zcash、Dash、Augurの4つの通貨が上場廃止されることについてご紹介しました。
コインチェックは今年6月の取引所再開を目指しています。
コインチェック流出事件に巻き込まれて「もうこりごりだ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、同取引所には反省を活かしてまた仮想通貨市場を盛り上げてくれることを期待しましょう!