【仮想通貨投資】基礎「何を・いつ買い・いつ売るか」【初心者必見】
それは「何を」「いつ買い」「いつ売るか」です。
これらの3つが揃ったとき、利益として投資成績に反映されます。
コイン選定において、どのようなファクターを重視していけばよいのでしょうか?
まずは、「何を」の部分から解説していきます。
ファンダメンタルズ分析が基本
投資判断や分析方法には、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」があります。
テクニカル分析とは、チャートを分析することにより値動きのクセを発見し、将来の価格を予想する分析方法。
一方ファンダメンタルズ分析は、日々のニュースやコイン発行元の発表など、チャート以外の経済状態を分析して将来の価格を予想する方法です。
「どの暗号通貨を購入するか?」のコイン選定においては、テクニカル分析ではなくファンダメンタルズ分析を基本に考えたいところです。
なぜなら、コインを選定していく段階で重視するのは、「長期的に見て問題のないコインか?」というポイントだからです。
このような分析をするには、チャートを分析するよりも、コインそのものの性質や、コインを取り巻く経済状況を分析したほうが理にかなっています。
不安材料が少ないコインを買う
コイン選定において重視したいポイントに「不安材料がないか?」があります。
不安材料があるコインは相場が様子見ムードになりやすく、買いが入りにくいため値上がりしにくい嫌いがあります。
そんなときは、不安材料が解消してから購入するのがベターでしょう。
たとえば、ビットコインの課題に「スケーラビリティ問題」があります。これはビットコインの将来性に大きな影響がある問題で、その解決策として「セグウィット(SegWit)」が採用されるのかが注目されています。
現状(2017年7月現在)、スケーラビリティ問題は解決されておらず、ビットコインにとっては不安材料となっています。
このような場合の考え方に正解はありませんが、不安材料を抱えているコインをあえて選択するのはナンセンスでしょう(ビットコインはあくまで例です)。
オリジナリティがあるコインを買う
オリジナリティがあるコインは、「独自の強みがあるコイン」と言い換えることもできます。
コイン選定において、オリジナリティがない通貨を購入するのは避けるべきでしょう。
他のコインに埋もれてしまい、値上がりは期待できません。
もっと明確に「〇〇のために」とニーズに答える意識で発行されている仮想通貨であればベスト。
しかし、仮想通貨の数は1,000ともそれ以上ともいわれていますが、その中で明確なオリジナリティや付加価値があり、他のコインと差別化できているものはほとんどありません。
そして、差別化できていないコインは、「現存のコインの焼き増し」と同じです。
存在意義が薄く、いずれ消え行くことが予想されます。
特定の運営者がいないコインを買う
投資目的で保有するのであれば、基本的に「特定の運営者がいない仮想通貨」を選択しましょう。
ブロックチェーンを利用した、P2P型のコインのことです。
仮想通貨の先駆けであるビットコインが評価されるきっかけとなったのも、特定の運営者が存在しないことが理由。
特定の運営者がいる暗号通貨は、発行元が通貨量を自由に変更できたり、望まない仕様変更がされる恐れがあります。
一方、特定の運営者がいない暗号通貨であれば、運営者の信頼性に身を委ねる必要がないのです。
仮想通貨がこれだけの将来性を期待されるようになったのも、ブロックチェーンを利用したP2P型だからこそ。
例外もありますが、基本的には特定の運営者がいない暗号通貨を選択するとよいでしょう。
時価総額上位のコインを買う
もっともシンプルなコイン選定は、「時価総額上位20位以内の仮想通貨」を選択することです。
サイバー空間で運用される仮想通貨の性質上、IT技術の知識がないとコインを完全に理解しきれません。
「コインを完全に理解してから投資しよう」などといっていては、利益を得る機会を逃してしまいます。
もちろん、「これは!」というコインは深い分析を行いますが、他のコインについては、大筋の理解のみで投資している投資家も多いのです。
そのとき、コイン選定の基準となるのが「時価総額上位20位以内」にランクインしているかです。
時価総額はみなが買えば買うほど増えていくので、世界中の評価が凝縮されています。
下手に分析するよりも賢い場合があり、迷ったときにオススメの判断方法です。
逆にいえば、時価総額下位のコインに手を出すときは、よほどの「理由」を見つける必要があるといえるでしょう。
前期は、売買の3要素(何を・いつ売り・いつ買うか)の「何を」について解説しましたが、今回は、「いつ買うか」という問題について解説します。
「いつ買うか」は投資をする上でもっとも悩ましい問題です。
タイミングを誤ると下降トレンドでエントリーしてしまいますし、悩みすぎるとチャンスを逃してしまいます。
「いつ買うか」は、検討する上で基準となるポイントがいくつかあるので、それぞれ見ていきましょう。
割安であれば買う
割安とは、「潜在的な価値よりも相場が安い」状態を指します。
仮想通貨だけでなく、たとえば中古車市場で「50万円の価値を持つ車」が45万円で売られていれば割安であるといます。
反対に、50万円を超えてくると割高です。
株式投資においても「割安」「割高」といった考え方がされ、「PER」という指標がその判断に多用されます。
PERは「時価総額÷当期利益」という計算式で求められるので、「本来の価値(生み出せる利益)に対してどれだけ株価が安いか」をPERで見ていることになります。
中古車市場や、株式投資の例と同じく、暗号通貨においても「割安」の判断は同じです。
「そのコインの本来の価値に対して、どれだけ相場が安いか」を見ていくことになります。
市場が過大評価していれば購入してはいけませんし、過小評価していれば購入を検討します。
では、本来の価値とは何を指すのか。
これは非常に難しい問題です。
その暗号通貨のみの問題とは一概に言えず、取り巻く周囲の環境によって異なります。
ニーズがあってはじめて暗号通貨が利用されるからです。総合的、多角的に考えていくほかないといえるでしょう。
急落後に買う
価格チャートのテクニカル分析により、「急落後」の突っ込み買いが有力な場合があります。
いわゆる「ナイアガラ」と呼ばれるチャートが絶壁状態になるほどの急落は、その後反発するケースが多いからです。
これには理由があります。
仮想通貨の価格は投資家が売買する結果、決定されますが、その判断が必ずしも正しいわけではありません。
たとえば「1BTC=25万円」とされていても、必ずしもビットコインの「本来の価値」を表しているとは限らないのです。
たとえば、上昇トレンドが強い相場では「もっと上がるのではないか?」と期待感が高まり、本来の価値を上回る高値が付くことがあります。
もちろんこれは一時的なものであり、「買いが買いを呼ぶ」状態はいずれ収束します。
一方、下降トレンドや急落が強い相場では反対のことが起こります。
「もっと下がるのではないか?」と恐怖感が強まり、売り圧力が強くなります。
そのため売りが売りを呼び、本来の価値よりも「割安」になることがあります。これも一時的であることが多く、「本来の価値」が損なわれていない限り(確実とはいえませんが)値上がりするケースが多くなります。
好材料が出て価格が追いついていないとき
「好材料」とは、価格を上昇させる要因のことです(⇔悪材料)。
知る人ぞ知る好材料を入手できれば、それが価格に反映される前にコインを仕込むことができます。
好材料にはさまざまなものがありますが、例えば、「大企業の決済手段に採用された」「運用上の課題を克服した」「暗号通貨に対する国の規制が緩和された」などが考えられます。
好材料が出るとすぐに価格に反映されるため、スピードが勝負です。
いち早く仕込むことができれば、かなりの確率で利益を得られます。
ただし、「織り込み済みの好材料」に注意してください。
織り込み済みとは、好材料(悪材料)が発表される前の段階ですでに材料が予想されており、価格に反映されていることです。
織り込み済みの状態だと、好材料がニュースになっても、すでに価格に反映されている為、あまり値上がりしません。
好材料でエントリーするなら、意外性の高いものが効果大でしょう。
テクニカル分析も活用
売買の3要素(何を・いつ売り・いつ買うか)において、「何を」の要素は「ファンダメンタルズ分析」での検討が中心でした。
しかし、「いつ買うか」についての分析は「テクニカル分析」が活躍します。
テクニカル分析は、価格チャートから売買のタイミングを図る分析方法です。
テクニカル分析における「買いサイン」にはさまざまなものがあり、個別に紹介することはできませんが、上述の「急落後に買う」方法もテクニカル分析の1つです。
基本的な方針としては、購入単価を低く抑えるほうが有利なので「押し目」(価格が調整される一時的に値下がり)で買っていくのがよいでしょう。
いつ売るか?
コインを買うタイミングはしっかり検討しても、売るタイミングはないがしろにされがちです。
利益がのっていれば「そろそろ利確するか…」といった風に感覚で判断する方も多いでしょう。
しかし、購入とともに、売却タイミングは投資成績に直結する要素です。
ですので、その考え方を深めておくことは、精度の高いトレードに欠かせません。
テクニカル分析を活用
「どのコインを買うか?」というコイン選定については、「ファンダメンタルズ分析」が中心となりますが、「いつ買うか?」「いつ売るか?」のようなタイミングを図る分析については、「テクニカル分析」も適しています。
価格チャートを観察することで、今何が起きているのかを分析し、将来の価格を予想します。
とはいえ、テクニカル分析の「売りサイン」にも多くのものがあり、それぞれの局面で成立するケース、しないケースがあります。
基本的に、「コイン選定はファンダメンタルズ」「売買タイミングはテクニカル」を重視するとよいでしょう。
高騰後に売る
売却タイミングの1つの例として「高騰後」があります。
「まだまだ上がるのではないか?」との期待が頭をよぎりますが、とりあえず利益を確定させておきましょう。
なぜならその後、反動で調整(一時的な値下がり)することが多いからです。
では、どのような状態を「高騰」と見ればよいでしょうか?
これは、コインのボラティリティよって異なるため難しい問題ですが、価格チャートが明らかにバランスを欠いて上昇した際は高騰と考えてよいでしょう。
悪材料が出たら売る
悪材料とは、その仮想通貨にとって悪いニュースのことです。
「値下がり要因」となりうるニュースのことと考えてよいでしょう。
自身の所有しているコインに悪材料が出たときは、とりあえず売ることをオススメします。
悪材料が相場に知れわたる前に売ることができれば、損失を最小限に抑えられ、ダメージを受けにくくなります。
ただし、「悪材料織り込み済み」(悪材料がすでに予想され値下がりしている状態)の場合もあり、その判断は難しいのですが、織り込み済みとはいえ小さな調整は考えられます。
悪材料が出たらとりあえず売り、またの機会を伺ったほうが賢明です。
目標に達したら売る
「購入額から〇〇パーセント上昇したら売り」「購入額から〇〇パーセント下落したら売り」といったルールをあらかじめ設定し、忠実に従うのも1つの方法です。
そもそも、購入前と購入後の相場環境は異なります。
そのため、購入前に「売りポイント」を決定してしまうのはデメリットとの考え方もあります。
とはいえ、あらかじめ「売りポイント」を決めておけば、コインを保有している間「どのタイミングで売ればよいのか?」と迷うことがありません。
これには、狼狽売りや、塩漬けの危険性が少なくなるメリットがあります。
価格が予想と反対に動いたら売る
主に短期トレードでの考え方となりますが、「エントリーした後、予想と反対に値動きしたら売る」のも有効です。
なぜなら、エントリー直後に予想と異なる動きをしたということは、そもそもエントリーするに至った前提条件が崩れている場合があるからです。
一方、長期投資の場合は、「長期的な上昇」を予想してエントリーしています。
そのため、短期的に価格が奮わないことは往々にしてあります。これはまったく問題ではありません。
損失許容範囲をオーバーしたら売る
「この損失の範囲なら我慢できる」というラインを「損切りライン」に設定するのも1つの手です。
「損失許容範囲」といってよいでしょう。
損失許容範囲の決め方は色々あります。
「購入金額の10%の損失が発生したら売り」といったルールもわかりやすいです。
短期トレードなら「購入金額の5%の損失が発生したら売り」とシビア目に設定するとよいでしょう。
一方、長期投資の場合は、よほどのことがない限り損切りは行いません。
値上がりが期待される要因が崩れていない限り、保有し続けるのが基本です。
しかし、長期投資の場合でも「この金額までの損失なら我慢できる」というラインがあるのなら、その価格において損切りするのもよいでしょう。
そして、下降トレンドが一段落してから、再エントリーのチャンスをうかがいましょう。
分散しながら売る
売却する際、一気に売らずに「分散しながら売る」のも有効です。
たとえば50万円投資したコインが高騰した場合、25万円購入分を利益確定し、もう25万円でさらに上を目指すなどの戦略が考えられます。
しかし、上を目指したものの調整するケースもあるでしょう。
その場合、そのタイミングで利益確定した25万円分を再投資し、平均購入単価を下げることもできます。
上記は値上がりした例ですが、反対に値下がりした場合においても、同様の考え方ができます。
「全額売る」か「まったく売らない」かの二者択一で考えがちですが、柔軟に対応することが大切です。
ここまで、売買の3要素(何を・いつ売り・いつ買うか)のうち、「いつ売るか」ついて解説しました。
売却タイミングは、購入と同じくらい大切な要素ですので、ぜひ上記を参考にしてみてください。