こんにちは、阿部です。
仮想通貨市場に新たな動きがありました。
フランスとドイツの2国は、国際的に仮想通貨を規制すべきという考えについて、G20加盟国に提案していく方針を明らかにしました。
最近、規制関連のニュースが多く聞かれるようになっています。
投資家としてこれにどのように対応していけばよいでしょうか?
結論として、それほど悲観する必要はないだろう、と考えています。
その理由について、詳しく見ていきましょう。
値下がり要因はやはり「規制」
2018年1月中旬現在、仮想通貨はここ10日間強、下落基調となっています。
「これまでの上昇の反動として仕方がないのでは?」との声も聞かれていますが、もっとも大きな下落要因は、仮想通貨に対する各国の“規制”ニュースでしょう。
いくつかの国で「規制すべき」として舵を切っており、これがここ10日間の下落のもっとも大きな原因だと考えられます。
規制の状況1「中国」
中国は2016年までNo.1のシェアを誇るビットコイン大国、仮想通貨大国でした。
しかし、中国当局は2017年「取引所取引」と「新規ICOの発表」の2点について、全面禁止。
現在、中国での取引はほぼゼロになってしまいました。
さらに中国当局は、中国国内から海外の取引所へのアクセスルートを遮断する措置も検討しているようです。
規制の状況2「韓国」
2018年1月11日、韓国のパク・サンギ法相が「仮想通貨取引所を通じた取引を禁止する法案を準備中で、取引所の閉鎖を目的にしている」と発言したことで、中国に続き、韓国による仮想通貨への否定的な姿勢が明らかになりました。
韓国も有数の仮想通貨先進国で、もし取引所閉鎖が実現すれば大きな打撃です。
ただし、若者を中心に反発が大きく、法令を作成するというハードルもあるため規制が実現するかどうかはまだ不透明です。
規制の状況3 「フランスとドイツ」
そして新たな動きが、フランスとドイツを中心としながらG20加盟国に起きる可能性が出てきました。
両国は、2018年3月に行われるG20加盟国参加の「財務相・中央銀行総裁会議」で、国際的な仮想通貨の規制を呼びかけていくことを明らかにしました。
こちらも実現するかはわかりませんが、
もしG20に強い規制がかかれば業界にとって大打撃です。
なぜ規制ニュースは「悪材料」なのか?
そもそも、なぜ「規制」が進むと値下がり要因になるといわれるのでしょうか?
それは、規制されると、仮想通貨ユーザーが減ることがあっても、増えることはないからです。
たとえば、日本円に強いパワーがあるのも、1億人以上が日常的に利用しているから。
利用者が少ないコインは、通貨として機能しにくくなります。
そして、そのような仮想通貨に投資しようとする投資家はいないため、価格が上がっていかず、結果として規制は悪材料として受け止められるという仕組みです。
ではどうすれば? 規制は「チャンス」でもある
最近の相場は規制の影響を強く受けており、2017年12月に約90兆円あった仮想通貨市場全体の時価総額は、1月中旬に約40兆円を下回るほど減少しました。
おそらく、規制のニュースがなければ高い水準で推移していたのではないかと予測します。
それでは、規制ニュースによる値下がりを投資家としてはどのように考えればよいのでしょうか?あくまで個人的には、一概に「売り!」とはいえないと考えています。
なぜなら、規制の「可能性」が発表されたに過ぎず、規制が「決定」されたわけではないからです。
たとえば韓国は、「規制するため、まずは法案作成を目指す」という段階に過ぎず、規制の実現のためには、いくつか越えなければならないハードルが残されています。
フランスとドイツのG20への規制提案については、あくまで「提案」に過ぎず、その先の合意形成を考えるとさらにハードルは高いでしょう。
そのため、投資家としては逆転の発想も必要です。
つまり、もしこれらの規制が実現しなかった場合、条件が整えば軒並み急騰という可能性もあるでしょう。
現在、世界トップの取引量を誇る日本では、麻生太郎財務・金融相が「なんでもかんでも規制すればいいというものではない。
バランスをとりながらやっていかなければいけない」と話しています。
市場の売り空気に飲まれず、広い視野で冷静に分析していくことがいっそう求められる相場になってきています。