こんな疑問にお答えいたします!
仮想通貨の価格が決まる「メカニズム」と「要因」とは?
仮想通貨投資を始めてみたものの、いまだによくその仕組みがわからない。
そういう方は少なくありません。
もちろん、その理由はいくつかありますが、代表的なのは「仮想通貨の価格の決まり方(値を動かす要因)」がわからないというもの。
どのように仮想通貨に価格が付いているのかは、特に初心者にとってはイメージしにくいものとなっています。
しかし、このことは投資家としてのスタートラインに立つためには、非常に重要。
言うまでもなく、「仮想通貨の価格の決まり方を知っている」ということは、「どんなときに値上がりするか(値下がりするか)を知っている」ことに繋がるからです。
そこで、今回は、これらの疑問を解決するために仮想通貨の価格の決まり方について、わかりやすく解説してみたいと思います。
「市場」の仕組みを知ろう
仮想通貨投資で利益を出すためにはどうすればよいのか?と悩まれている方は少なくありませんが、これを解決するためのスタートラインとして、
まずは、「仮想通貨の価格の決まり方」を知る必要があります。
この仕組みを知らない方は、「どんな時に仮想通貨が暴落するのか?」を知らないことにもなるので、結果として値下がりに対する不安も大きくなる傾向にあります。
さらに言えば、実際に、暴落に巻き込まれて、損を確定してしまう可能性も高いでしょう。
繰り返しになりますが、暗号通貨でリターン出せるようになるために最初にすべきことは、暗号通貨の名前を片っ端から覚えていく事ではなく、難しい専門用語を丸暗記することでもなく、「どのような仕組みで仮想通貨の価格が決まっているのか?」を知ること。
需要と供給のバランス
まずは、基本から押さえて(おさらいして)おきたいと思いますが、仮想通貨の価格を決めているもっとも大きな要因は、「重要と供給のバランス」です。
つまり、「買いたい人」が「売りたい人」よりも多いとき価格は上昇へ向かい、その反対に、「売りたい人」に対して「買いたい人」が圧倒的に足りていないときに暴落へと向かいます。
もちろん、ここまでは、基本中の基本ですので、知識としてご存知の方も多いでしょう。
しかし、「感覚的」にこの仕組みを理解している人は少ないようです。
そこで、「もし仮想通貨市場がたったの3人だったら」という仮定で考えてみたいと思います。
例えば、世界で3人のみが知る「スリーコイン」という暗号通貨があるとします。
そして、スリーコインの保有者は現在のところ「Aさん」のみ。
Aさんは、1スリーコインを100円以上なら売ってもよいかな、と考えています。
そこに、スリーコインがほしいと思っている「Bさん」が現れます。
Bさんは、1スリーコイン120円の価値があると思っているので、「120円以下なら購入する」という指値注文を入れます。
そして、Aさんはそれを見て120円でBさんにスリーコインを売却しました。
上記こそ、仮想通貨の価格が決定された瞬間です。
そして、それを見ている「Cさん」がいます。
Cさんは、仮想通貨市場で「何か値上がりするコインはないかな?」とリサーチをしている立場。
これから仮想通貨投資をはじめる方も、Cさんに当てはまるでしょう。
言うまでもなく、実際の仮想通貨市場は3人で取引されているわけではありませんが、300人になっても、3000人になっても、価格が決定される要因は上記とまったく変わりありません。
ただ(!)Aさんや、Bさんや、Cさんが沢山いるだけということなのです。
このことをイメージしてみると、「需要と供給によって仮想通貨価格が決定されている」ということがよくわかるのではないでしょうか?
このように、仮想通貨の価格は「市場参加者」が決定しているのです。
(この記事は、「暗号通貨の価格が決まるメカニズムと要因とは?②」に続きます)
需要と供給に影響するもの
上記のような「重要と供給による価格決定の仕組み」を知ると、次のステップとして「どんな要因が需要と供給に影響もたらすのか」という疑問が生まれてきます。
つまり、「どのような時に売りたい人が増えるのか」「どのような時に買いたい人が増えるのか」ということ。
そして、この仕組みを一言で表すのは難しく、さまざまな要因が関係しています。
ただ、重点的にチェックするポイントは存在します。
具体的に言えば、「需要と供給のバランス」をチェックするには、以下の項目からチェックしていくことがオススメ。
将来性(将来の需要)はあるか?
言うまでもなく、「将来性」は暗号通貨にとって非常に重要です。
しかし、一口に将来性といっても、ザックリとしていてよく分かりませんが、簡単に言えば、将来性は「将来のニーズ(需要)」と言えます。
今現在だけではなく、将来にわたって、多くの人々がその暗号通貨を必要とする理由があれば、その暗号通貨の値上がりは約束されたも同然。
将来にわたってその仮想通貨の使い道が途絶えない、ということになります。
ちなみに、「成長分野」という観点で言えば、これからの日本は少子高齢化に向かうので「福祉・介護」などの産業は成長が見込めます。
他にも、「eスポーツ・人工知能(AI)・環境ビジネス」なども、今後成長するといわれていますね。
つまり、このような「世の中のトレンド」に合致した仮想通貨(トークン)は成長しやすい、ということです。
知名度はあるか?
上記で「将来性」について解説しましたが、将来性が高ければ何でも値上がりするわけではないのが、仮想通貨の奥が深いところ。
一つ要素を挙げるとすれば、たとえば、重要なファクターとして「知名度」があります。
例えば、仮に将来性の高い「ハイクオリティコイン」と、将来性の低い「ロークオリティコイン」があったとします。
「ハイクオリティコイン」は高品質なので10人中8人が購入したいと感じる一方、「ロークオリティコイン」は10人中5人しか魅力を感じていません。
ですので、投資対象としては、「ハイクオリティコイン」のほうが良いかのように思えます。
しかし、ハイクオリティコインは1万人の知名度しかなく、ロークオリティコインは2万人の知名度があるとしたらどうでしょうか?
- ハイクオリティーコイン1万人×0.8=8000人
- ロークオリティーコイン2万人×0.5=1万人
ということです。
また、このことに加えて、「よくわからないコインを購入して損したくない」という人が少なくないため、「知名度が高い」ということは、非常に重要なポイントになります。
つまり、このようなことも踏まえていけば、値上がりするコインを発見するためには、「そのコインの知名度」についても考慮する必要があるのです。
信頼感はあるか?
また、安定して値上がりするコインを見つけるためには「信頼感」も重要です。
これには、「(他の投資家は)この仮想通貨を安心して買うだろうか?」との答えに、イエスと言えるかどうかで判断するのが良いですね。
これまで(過去)はそう言い切れないコインでも成功を収めていますが、今後、ICO・仮想通貨市場が成熟してくると、信頼感の重要度もますます増してくることが予想されます。
また、一見すると、信頼感は「知名度」に似ていますが、これはイコールではありません。
たとえば、信頼感を決定する要因には、
- ICOトークンの発行体(大企業ほど信頼感が高い)
- 時価総額の大きさ
- 流出事件など、悪いニュースはないか
などがありますが、これはつまり、「知名度は高いが、信頼感は低い」暗号通貨も存在することを意味します。 (もちろんその逆もあります)
たとえば、日本で発生したコインチェックのネム流出事件も知名度は高いが信頼性は低いという状況を作り出しました。(実際は、無関係であるのに、ネムはセキュリティが低い」と勘違いする人も出ました。 )
そうなると、とりあえずネムを売っておこう、と考える投資家が増えてきます。
つまり、仮想通貨価格を予測するためには「信頼感」も重要なファクターとなるのです。
各国からの「規制」はどうか?
最近では、国による規制によって仮想通貨の価格が下落するシーンが多く見られました。
特定の国や地域などで仮想通貨が規制されると、仮想通貨の価格下落に繋がったりします。
そして、こういった規制による価格の下落は、想像以上に影響が大きいものです。
ですので、(海外のこととなると、実感がわきにくい面もありますが)中国や韓国やインドやアメリカの規制などもしっかり最新情報を追いかけたいところです。
また、最近の傾向として「規制されやすい」仮想通貨と「規制されにくい」暗号通貨があることも認識しておくべきことでしょう。
具体的に言えば、「証券認定」に関する議論に最近は注目が集まっていたりします。
ご存知の方もあると思いますが、証券に該当するものは、アメリカでは(日本でも)規制の対象。
そして、今現在は、イーサリアムやリップルなどが証券に該当するのではないか、ということで議論がなされていますが、もしも、証券と認められれば、国によって正式に定められた取引所でしか購入できなくなります。
ちなみに、このようになれば、現在の仮想通貨市場が一旦、冷え込むことにもなりかねません。
つまり、規制を「受けやすい」or「受けにくい」ということも需要と供給のバランスに影響してくるのです。
規制緩和にも注目しよう
また、反対に、規制が緩和される(緩められる)というニュースについては、値上がり要因として注目することができます。
たとえば、イスラム圏の法律である「イスラム法」では、ビットコインは違法と解釈される認識でしたが、最近では、容認の考え方も出てきました。
もちろん、この流れが進むと、将来的にはビットコインがイスラム圏において完全に合法となる日がくる可能性もあります。
(これは、もちろん値上がり要因です。 )
もしかすると、イスラム圏の膨大な人口がビットコインを買いあさり、バブルが生まれるかもしれません。
また、同じ理由で、次のようなアメリカのケースもあります。
アメリカでは、「州」ごとに条例が異なったりしますが、中にはビットコインをはじめとする暗号通貨を優遇する州が出てきました。
これも、人口や経済力の大きい州であれば、仮想通貨価格の上昇に繋がることがあります。
ですので、このような「規制緩和」についても、チェックすることが有効です。
個々のイベントの影響はどうか?
ここまで、仮想通貨の市場価格がどのように決定されているのかについて、その要因となりうる事柄を1つずつ見てきました。
それぞれ、特別に目新しいものではありませんが、仮想通貨の価格に対して影響があるものばかりですので、ぜひ意識をしてみましょう。
そして、最後に解説したいのは「個々のイベント」による影響です。
いわゆる、「重要なニュース」や「発表」のようなものと考えると分かりやすいと思います。
上記の「将来性」「知名度」「信頼感」「規制」なども広い意味での「イベント(材料)」といえますが、イベントの中には何度も現れやすい「普遍的な材料」と、めったに現れない「突発的な材料」があります。
そして、ここで解説したいのは、後者の「突発的な(臨時的に発生する)材料」のほう。
ちなみに、何度も繰り返し現れる「イベント(材料)」については、過去の事例を元に判断することもできますね!
突発的な材料については、そのシーンに合わせて考えていかなければならず、予測の難易度も上がります。
たとえば、突発性の高いイベントには下記のようなものがあります。
①仮想通貨のアップデートや分裂
ご存知の通り、ビットコインは歴史の長い暗号通貨ですが、約10年の間、何も変わらず存在していたわけではありません。
※時代の変化に合わせてアップデートを繰り返してきました。
ですので、現在のビットコインは、2010年ごろの初期のビットコインとは違い、大きく異なってきているといえます。
言うまでもなく、アップデートは、仮想通貨の価格へ大きな影響を与えますが、たとえば、「SegWit」によって値上がりがあったりしました。
ただし、すべての材料を過去の事例と照らし合わせて判断することはできません。
やはり「ケースバイケース」で考えていくことが求められ、「アップデート」や「分裂」を画一的に考えるのは難しいのです。
②取引所への上場
また、取引所への上場も、場合によっては強烈な値上がり要因となります。
ただし、どれほどの値上がりになるかは、通貨の種類や取引所の大きさなどによって異なりますので、その上場のインパクトを見極め、それを計算した上でトレードに反映する必要があります。
また、その材料がどの程度「織り込み済み」なのかも、ケースバイケースでの判断が求められます。
③有識者の発言
また、影響力を持つ「有識者のSNS上での発言」も、大きく価格に影響します。
もちろん、SNS上だけではなく、さまざまなメディアでの有識者の発言もチェックしておくことは有効。
その発言が正しいかどうかにかかわらず、仮想通貨の価格に影響を与えるインパクトがあります。
もちろん、有識者の投稿から一定の時間が経過している場合には、どの程度「織り込み済み」となっているかの判断も必要です。
「有識者の発言はインパクトがある」と分かっていても、「どれくらいのインパクトなのか?」についてはやはり個別に判断していくことになります。
④企業によるPRなど
また、仮想通貨の関連サービスを企業がPRすることによって、その関連の暗号通貨が値上がりするケースもあります。
たとえば、取引所がテレビCMを流すことで、その取引所の取り扱い通貨が値上がりしやすくなるといったことがあったり。
例えば、決済サービス企業が宣伝を行うことで、そのサービスに採用されている仮想通貨が上昇しやすくなる、などの例もあります。
言うまでもなく、企業は将来性のある案件にしか投資をしないため、PRをみることによって次にどんな仮想通貨やサービスがトレンドとなるのか、また、勢いを増しやすいのかをチェックすることもできるでしょう。
仮想通貨価格の決まり方を肌感覚でつかもう
ということで、今回は、どのように仮想通貨の価格が決定されるのかについて、なるべくわかりやすく解説してみました。
仮想通貨の価格が決定されるプロセスは複雑であり、文章ですべてを解説することは難しいもの。
ですので、ある程度、パターン化できるものはパターン化しつつ、パターン化が難しい(突発性な)イベントについては上記の要因を頭に入れながら実際にトレードを行い、価格が決定される感覚を肌で感じていくと良いでしょう。
仮想通貨市場は変化が激しく、価格を動かす要因も、時代とともに変わっています。
裏を返せば、これから投資を始められる方も正しい知識を少しずつ勉強することで、腕の立つトレーダーになることもできるはず。
ですので、焦らず、1つ1つ基本をマスターしていきましょう!