ビットコインがついに先物としてCMEに上場しました。
これまでは暗号通貨の取引市場だけだったのが正式に先物市場に上場したことでまた新たな可能性が出てきそうです。
現在、200万円に乗せた後で反落して調整局面にあるようですがここからの動きはどうなるでしょうか。今回はそれを解説します。
ビットコイン日足
12/22(金曜日)時点のビットコインの日足です。
ビットコインがCME先物に上場したのが12/17だったのでその時の日本円に換算して220万円付近が高値になった模様です。
最近はビットコインはハードフォーク、先物上場と相次いで大きな材料が出たので年初から続いている上昇が加速した感がありました。
しかしこのようなトレンドにありがちなことですが、シカゴ先物上場という目標を達成したので現在は調整局面にあります。
日足で見れば大きな二回の天井をつけているのが見て取れるはずです。しばらくは調整局面が続く可能性も高くなりました。
もし25日移動平均線を割り込めば11/12以来のことになります。
12/9には大きく押して150万円割れの水準まで下げていますが、今回も場合によってはそこまで下げるかもしれない状況です。
そうするとチャートの形は、高値220万円 安値150万円のボックスの形になってしばらくはそのゾーンで動く可能性が出てきます。
もしもの話ですが、今(12/22)から来週(12/25~)までに150万円付近まで下げることがあれば買いです。
むしろ「買いたい弱気」でそこまで下げて欲しいのですが、瞬間的に乱高下して安値があったら間違いなく将来のために買っておくべきでしょう。
建て方としては以前説明したように、まず寝かせてもいいつもりで三分の一だけ資金を買い出動させるのがベストです。もし150万円近い水準で拾うことができればかなり早いうちに高値である220万円付近まで復活する可能性は高いと思います。
シカゴ先物上場の意義は
さて、期待されたビットコインの先物上場ですがまずシカゴ先物について簡単に説明しておきます。
ビットコインがCBOE(シカゴオプション取引所)に上場したのが12/10、CME(シカゴマーカンタイル取引所)への上場が12/17でした。
この二つの取引所はシカゴにある世界最大の先物取引市場で、とくにCMEは通貨取引量では世界最大級を誇ります。
ここに上場したことによりビットコインの取引がさらに膨らむのではないかと期待されているわけです。
ただ、現状ではCBOEの方の最低取引単位が1ビットコイン、CMEが5ビットコインとかなり大きな額になっています。
200万円近い値段の時なら1000万円分の単位からしか取引できない(証拠金は350万円―400万円程度)ので、個人投資家が気軽に参加できる市場ではないことは確かでしょう。
ただこれが将来的には上場信託などの取引につながる可能性もあります。今は株式や不動産が主ですが暗号通貨のファンドなどが正式に株式市場に上場する時代も間近かもしれません。
ビットコインへの税金はどうなるのか
先物市場にまで上場したビットコインですが気になるのは税金です。
現在日本ではビットコインに限らず全ての仮想通貨で得た利益は全て雑所得(事業所得)扱いです。
仮想通貨の取引にかかる税金の話はまた別の機会に特集を組んでしたいと思いますが、仮想通貨のトレーダーや投資家にとってこの税金の問題がいちばん厄介で関心がある分野だと思います。
金融庁の公式な見解では仮想通貨のキャピタルゲインには株式・FX・商品先物のような投資家を優遇するようなキャピタルゲイン課税は適用されずに雑所得扱いになってしまいます。
キャピタルゲイン課税ならば、利益全体の2割の税金でしかも損益通算もできるのですが、現在では暗号通貨の取引は全くそのような便宜は図られていません。
これは今から30年近く前に商品相場で得た利益は雑所得とみなされていたのと同じような状況で、仮想通貨の認知度の低さと法整備が遅れていることが理由にあげられるでしょう。
今回は先物として上場するということで税制の面でも変化を期待したのですが、まだまだ遠い道のりのようです。
ちなみにシカゴの先物でのビットコインは先物扱いなので株や商品・FXと同じキャピタルゲイン課税になりますが、海外先物ということでやはり雑所得になってしまいます。
それ以前に1ビットコイン以上の単位でしか売買できないのであれば、個人投資家にとってはあまりうまい節税の対象にはならないでしょう。
将来的に上場信託として株式市場にビットコインが上場するのを待たないといけませんが、早い時代の流れの一番先を行っている世界なので、その時にはすでにはるかな高値になっていてもう長期投資にはふさわしくない状況になっている可能性もあります。
税金のことに関してはまた別の機会に詳しくお話したいと思います。
まとめ
- 現在(12/22)200万円割れのビットコインは買いのチャンス。150万円割れがあればベスト。
- ビットコインのシカゴ先物上場は画期的だが、売買単位など個人投資家にとっては手を出しにくい。現在は税制面での優遇もない(雑所得扱い)ので上場信託などの上場が待たれる。