【テクニカル分析】短期売買の手法「突っ込み買い」とは?
株式投資などでも使われる手法で、仮想通貨投資にも応用可能です。
突っ込み買いの優れているところは、シンプルで初心者にも簡単な点(後述のように、いくつかのコツはあります)。
また、近年の暗号通貨投資で懸念される「高値掴み」の可能性が軽減されることなどが挙げられます。
それでは、具体的にどのような手法なのか、また、成功させるコツについて見ていきましょう。
突っ込み買いは「安すぎ」をとがめる手法
突っ込み買いの具体的な手法はシンプルで、簡単に言えば、ドカンと下がったところを底値付近で拾います。
いわゆる「逆張り」の戦略ですね。
エントリーする目安としては、24時間の下落率が15%~20%以上はほしいところ。
とはいえ、暗号通貨の特徴として「荒れるときはとことん荒れる」ことがあります。
つまり、ベストなのは、あまり荒れていないときの相場での急落。
もちろん、荒れていてもいいのですが、その場合は急落の%を多めに見積もったほうがいいでしょう。
チャートを見て、「あきらかに谷になっている」ことが重要です。
急落時の突っ込み買いは、基本的にテクニカル分析です。
テクニカル的な要素は、絞り込みも容易。
「急落ランキング」などで発見することができるため、わかりやすいのです。
後述のように、ファンダメンタルズ分析も一部取り入れますが、ファンダメンタルズのみでタイミングを図る手法よりは、かなり取り入れやすいでしょう。
「突っ込み買い」が機能するロジック
それでは、なぜ急落時の突っ込み買いが「有効」なのでしょうか?
それは、急落時では「不当に安い価格」まで下落していることが多いから。
急落時は、「もっと下がるのではないか?」という心理が市場に広がっており、その分、過剰に売られやすいわけです。
売りが売りを呼ぶと、例えば、「100万円の価値のコイン」が80万円まで下落します。
その80万円を拾って、100万円まで戻したときに売るイメージです。
つまり「安すぎる価格設定をとがめる」というのが突っ込み買いの根本的な原理。
とはいえ、「本来90万円の価値のコイン」があったとして、割高な100万円から90万円に急落する「だまし」のようなパターンもあります。
そのため、テクニカル分析に加え、ファンダメンタルズ分析も取り入れることが大切です。
そして、突っ込み買いを成功させるには、いくつかのコツがありますので、1つずつ見ていきたいと思います。
突っ込み買いの前に悪いニュースがないかチェック
まず、突っ込み買いを決行する前に、悪いニュースがないかをチェックしておきましょう。
そもそも、コインが急落している理由は、主に、下記の2つが考えられます。
- 需要と供給による下落(売りが売りを呼ぶ状態など)
- 悪材料が発生し、コインの価値が損なわれたことによる下落
需要と供給による市場価格の下落(前者)の場合、コインそのものの本質的な価値はまったく損なわれいません。
そのため、「買い」の判断が適切です。
ちなみに、暗号通貨市場は初心者の投資家もかなり多いので、上がっている際は追いかけるように買われ、下がった際はあわてて売られる傾向にあります。
このような価格の上下動は、中級者以上の投資家にとってラッキー!
本質的なコインの価値が変化していない場合、低いところで拾えば、市場が落ち着いた後は、高確率で価格を戻します。
ニュースが慢性的な悪材料なら売りを検討
しかし、悪いニュースが実際に出ているケースもあります(後者)。
例えば、セキュリティ上の懸念材料が発見されたりする純粋な悪材料や、好材料が白紙撤回されたりする間接的な悪材料など。
いろいろなパターンがありますので、ここですべてを解説することはできませんが、1つの指針となるのは「一時的な悪材料かどうか」です。
仮想通貨市場は基本的に右肩上がりで、将来的は高いのですので、一時的な悪材料であれば、その後もう一度上昇してくることが多いです。
ですので、コインの存続が危ぶまれるくらい大ダメージな悪材料でなければ、大抵問題ありません。
つまり、一時的に下落しても、いつか価格を戻してくれればOK、というマインド。
ただし、半永久的にコインの価値が損なわれる可能性のあるときは、突っ込み買いを避けるのが無難です。
「吹き値売り」は狙わない
急落時の突っ込み買いの醍醐味は、価格を戻すだけではなく、その勢いで「吹く」ことにもあります。
いわゆる、「突っ込み買いの吹き値売り」。
急落時の突っ込み買いが成功すると、その後、市場は「売るほどではなかった」ことに気が付きます。
そして、それにともなって大量の買い注文が入ります。
結果として、急落前の平常価格よりも一時的に上昇する(吹く)ことが多いのです。
しかし、これはなかなかリスクが大きい上、タイミングを取るのもそこまで簡単ではありません。
そのため、おすすめしたいのは
- 突っ込み買い後、そのまま長期投資に切り替えて持ち続ける(根拠がある場合)
- 突っ込み買い後、急落前の平常価格で売却する
のいずれか。
ちなみに、急落はいろいろなコインで起きますので、「吹き値売り」にこだわらず、最小限のマージンで突っ込み買いを繰り返すほうが、結果的に効率が良いと言えるかもしれません。
突っ込み買いを成功させるコツは?
そして、突っ込み買いを成功させるには、注意点やコツがあります。
- 時価総額上位20位以内のコインを主なターゲットとすること
- 大底狙いではなく、反発を見てからエントリーすること
- ストップ・ロス・オーダ(損切り注文)を必ず利用すること
今回は、以上の3つを取り上げます。
時価総額上位20位以内、もしくは研究済みコインが◎
まず、急落時の突っ込み買いは、時価総額上位20位以内のコインを狙うのがベターです。
なぜなら、突っ込み買いは、市場が「下だ!」と主張しているのに、それに逆らって利益を狙う方法だからです。
急落している事実は軽視できないので、安定しているコインを狙うほうが良いでしょう。
ちなみに、株式投資の急落時の「突っ込み買い」では、大型株が推奨されているわけではありませんが、
暗号通貨で時価総額20位以内のコインをターゲットとするのは、株式よりずっと不安定だから。
場合によっては急落後、コインが見放されて二度と上昇しない可能性もゼロではありません。
そして、時価総額上位20位以内のコイン場合は、このリスクが大きく軽減します。
つまり、急落後、市場が落ち着きを取り戻したら、「下がりすぎだったかもしれない!」と再評価してくれる可能性が高いのです。
時価総額上位20位以内のコインは、今後、世界中に必要とされることが濃厚。
急落時の突っ込み買いは、そのようなコインを狙うべきです。
底をついたことを確認してからエントリー
長期投資であれば、基本的に購入タイミングはそれほど重視しなくてもOKです。
もちろん、安く購入するに越したことはありませんが、長い目で見ているので、それほど大きな問題ではないのです。
しかし、急落時の突っ込み買いはあくまでも短期売買ベースの手法です。
「タイミングにしっかりとこだわっていくこと」が勝率を上げることに繋がります。
ですので、下落率が15%~20%以上でも無条件にエントリーしてはいけません。
勝つための条件の1つは、「大底からの反発を見てからのエントリー」です。
そうしなければ、さらにズルズル下げ続ける可能性があります。
ですので、チャートの先端が上を向いている状態や、直前のローソク足の高値、安値ともにそれぞれ上回っている(たとえば日足なら前日のローソク足に対して上回っている)状況でエントリーしましょう。
これは、成功率を高める重要なポイント。
ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)は必須
また、言うまでもなく、ストップ・ロス・オーダー(損切り注文)は短期売買において必須です。
どんなに強気な相場でも、必ず用いるようにしましょう。
ちなみに、ストップ・ロス・オーダーを設定するポイントは、大底を割り込んだポイントが良いでしょう。
なぜなら、そうしないと、底を割り込んだ時点で「底だと思っていたところは、底ではなかった」ということになりかねません。
言い換えるなら、大底を割り込んだポイントとは、前提条件が崩壊したポイントです。
もしも、ストップ・ロス・オーダーに引っかかったら素直に売却し、再度チャンスをうかがいましょう。
ということで、今回は、短期売買の手法として「急落時の突っ込み買い」を紹介しました。
コツはありますが、初心者から上級者まで取り入れられる、比較的シンプルな手法ですので、ぜひ、チャレンジしてみてください!