「テザー(Tether/USDT)ってどんな仮想通貨なんだろう?」
「米ドルに連動するステーブルコインらしいけど、一体どんな仕組みなの?」
とテザーについて疑問を感じていませんか?
この記事では、以下のトピックについて徹底解説。
- テザーとは?その基本情報
- テザーのメリットとデメリット
- テザーの購入方法
テザーをどのように利用すればいいのか、本当に安全なのかを知りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。
テザーとは

テザー(USDT)とは、米ドルを価値の裏付けとする「ステーブルコイン」のひとつ。
アメリカのTether社が2015年2月に発行しました。
2020年12月現在、テザーはビットコイン、イーサリアム、リップルに次ぐ4位の規模を持ち、時価総額は約2兆円に到達。
現在、もっとも時価総額が大きく普及しているステーブルコインとなりました。
テザーはドルと価格がほぼ連動しているため、トークン(仮想通貨)の形式を保ちながら、事実上ドルを保有したり送金したりしたいシーンで用いられています。
テザーが価格を保つ仕組み
値動きが激しいビットコインのような仮想通貨が多い中、テザーはどのようにして「1ドル=1テザー(USDT)」の連動性を保っているのでしょうか。
それは、米Tether社が「1USDT=1ドル」の価値を担保しているから。
もっといえば、実際に米Tetherにテザーを持ち込むと「1USDT=1ドル」で交換してもらうことができるからです。
ただし、実際には、テザーの取引のほとんどは、仮想通貨取引所によって行われています。

CoinMarketCapでテザーの過去3ヶ月の価格推移をみると、上図のように若干の値動きがあることがわかります。
これは取引所のテザー価格が需要と供給のバランスにより変動するためです。
とはいえ、投資家は1USDTが1ドルの価値であることを知っているため、1.01ドル~0.99ドルなど、わずかな値幅でしか変動しません(ごくまれに額面価格と2%ほど乖離する場合もあります)。
テザーの保管方法は?
テザーは多くの仮想通貨と同じく、「取引所」で保管する方法と「ウォレット」で保管する方法があります。
ウォレットの場合、Android、iOSの公式アプリが公開されているので取引所外部で保管可能です。
ただし、その性質上、テザーは一時的な利益確定で利用されることがほとんどです。
そのためウォレットでの保管が必要となるケースは少ないでしょう。
テザーのメリットと将来性は?

それでは、テザーの利用にはどのようなメリットがあるでしょうか?
テザーは「利益確定」に便利
上述したようにテザーは米ドルと同じ値動きをします。
そのため、テザー単体に投資しても利益を得ることは困難です。
ビットコインやイーサリアムといった値動きの生じる仮想通貨を保有後、日本円に対応していない海外取引所などで一時的に利益確定を行いたい場合が、テザー主な用途となるでしょう。
テザーは海外取引所で、圧倒的な普及率があります。
ほとんどの取引所でテザーが対応しているので、利益確定をして再度のチャンスをうかがう場合、価格変動の激しい仮想通貨から資産を逃がすことができます。
「テザー砲」によりビットコインで利益を得られる可能性も
直接テザーを使うのではなく、「テザー砲」と呼ばれる現象を利用してビットコイン投資で利益を狙う方法もあります。
一体、どのような意味でしょうか?
テザーの仕組みをよく観察すると、「新たにビットコインを購入する元手」という性質もあることがわかります。
Tether社から新規発行されたテザーは、そのままではただの「擬似的なドル」にすぎません。
では、何のために、本物ではない「擬似的なドル」を欲しがる人がいるのかというと、将来的に仮想通貨取引所に送金し、ビットコインなどを購入するためです。
そのため、テザーの動向を注視し、テザーが新規発行された直後にビットコインを買い増すことで、後からやってくる買い圧力に乗ることができる可能性があります。
僕は以前、ツイッターで「テザーの大量発行の直後にビットコインが急騰しやすい」という分析をシェアしました。
これは一部の投資家の間で、「テザー・プリンター・ダイバージェンス」なんて呼ばれていますね。
ただし別の研究では、「テザーとビットコイン価格には相関性がない」としている場合もあります。
個人的には、必ずしも「テザー発行→BTC爆上げ」という単純な図式ではないものの、「テザー砲」は確実に存在し、利益を得る大きな手がかりになると考えています。
テザーのデメリットと注意点

一方で、テザーの利用には、注意点や懸念もあります。
それは、Tether社への「信用リスク」です。
テザーはTether社に対する信用によって成り立っているため、同社が不祥事を起こしたり、破綻すると、テザーが1ドルの価値を保つことが難しくなります。
以前、仮想通貨市場では「テザー問題」が大きな問題となりました。
テザー問題とは、Tether社が「ドルによる価値の裏付けを持っていない」という説のこと。
テザーはその仕組み上、Tether社が必ず「テザーの総発行量“以上”の米ドル」を持っている必要があります。
なぜなら、Tether社はテザーが持ち込まれた場合、米ドルと交換しなければならないからですね。
いったんは疑惑の目を向けられたTether社ですが、その後、第三者機関Feeh Sporkin & Sullivan LLP(有名弁護士事務所)によって、Tether社の口座残高が十分であることが証明されました。
報告書によると、
- テザーの市場流通総量=$2,538,090,823.52 USDT
- Tether社の裏付け資産=$2,545,067,236.82 USD
だったとのことで、Tether社は裏付け資産をしっかりと持っていたことになります。
ただし、上述の報告書は公認会計事務所ではなく弁護士事務所によるものであるため、完全に信頼できるものではありません。
事実、Tether社は疑惑の目を今も向けられており、複数の裁判を抱えるなど懸念もあります。
では、テザーは絶対に使うべきではないのでしょうか?
2020年12月現在、「テザーが米ドルの完全な裏付けを持つ安全なステーブルコイン」であることを厳密に証明できませんが、一方で、厳しい目を向けられながら、Tether社が「クロ」であることを誰も証明できていない現状もあります。
個人的には、テザーは100%安全とは言い切れませんが、その利便性を考えると一時的な利益確定時に利用する分には問題はないと考えています。
テザーの購入方法

テザーは国内取引所では取り扱われていません。
海外取引所最大手のバイナンスで購入できます。