イーサリアムのGas(ガス)の本当の意味とは―ただの手数料じゃない?

仮想通貨用語解説

こんにちは、阿部です。

「イーサリアムを送金するにはなぜGas(ガス)が必要なの?」、「Gasにはどんな意味があるの?」こうした疑問を持っていませんか?イーサリアムのGasは、ご存じの方も多いように手数料の一種としての役割を果たしています。

しかし、Gasの役割はそれだけではありません。

Gasがあるからこそ、イーサリアムは値上がりする」ともいえるのです。

イーサリアムの購入を検討している方や、イーサリアムを保有している方は、ぜひGasの本当の意味と役割を知っておきましょう!

そもそもイーサリアムのGasとは?

イーサリアムのGasとはどのようなものでしょうか?上述したように、それは「手数料の一種」です。

イーサリアムには明確な運営主体がありません。

つまり、どこかの会社がイーサリアムの維持を引き受けているわけではないのです。

そこでイーサリアムはコンピュータの計算能力を提供し、イーサリアムのシステムを維持する「マイナー」(マイニングをする人)によって維持されています。

イーサリアムを送金したりスマートコントラクトを利用すると、Gas(手数料)が発生しますが、その行き先はこうしたマイナー

つまり報酬の一種なのですね。

Gasの上限「Gas Limit」とは?

Gasの興味深い点は、その金額が自動的に変わるということです。

Gasの価格は、需要と供給のバランスによって自然に決定されます。

たとえば暗号通貨が異常な盛り上がりを見せていた2017年12月~2018年1月にかけて、Gas価格は高騰しました。(ビットコインの送金手数料も同じ原理にて高騰しました)

これはなぜかというと、取引量に対し、それを処理するマイナーが不足していたため、「手数料(Gas)を高額に設定しているほど、優先的に処理される」という現象が生じたからです。

ただし、複雑なのは、Gasがどれくらいの金額かかるかは実際に送金してみないと正確には分からないということです。

Gas Limit(ガスリミット)はこうしたイーサリアムの性質を踏まえ、取引を実行する前に「ここまでの手数料なら払えますので、手数料がこれ以下なら取引(送金など)を実行してもOKです」という意思表示となります。

あくまで「上限」であって実際の「金額」ではないため、それより実際のGasが安ければ、もちろん返金してもらえます

法外な価格をGasとして取られないような「保険」のような意味で、Gas Limitを捉えるとわかりやすいかもしれません。

Gasはイーサリアムの価値の源泉?

イーサリアムを利用している方は、「Gasなんて、ないほうがありがたい」と思っていませんか?しかし実は、Gasがあることでイーサリアムは高い価値を保つことができていることをご存じでしょうか?イーサリアムを利用した分散型アプリケーション(DApps)は、これから盛り上がりを見せる分野です。

魅力的なサービスがどんどん登場してくるでしょう。

しかし、これらを利用するためにはユーザーはGasを支払う必要があります

イーサリアムのシステムはマイナーによって維持されているので、無料で利用することはできません。

これはつまり、

  1. DAppsを使うためにはGasが必要となる
  2. Gasは呼び名は異なるが、イーサそのもの
  3. Gasが必要であることが、イーサリアムの需要となる

ということを意味しています。

もっと分かりやすくいえば…。

自動車はガソリンで走ります。

原油はそれにより価値を保つことができていますよね。

自動車が増えるほど、ガソリンは多く必要となり、価格が高騰します。

このとき、

  • 自動車 → イーサリアム
  • ガソリン → Gas

に例えられます。

そして重要なのは、自動車のオーナーはガソリンが高騰すると損をしますが、イーサリアムは一概にそうとはいえません。

なぜなら、「自動車とガソリン」は違うものですが、「イーサリアムとGas」は同じだからです。(呼び名は異なりますが…)

将来的な値上がりの可能性が高いのは、イーサリアムやEOSなどプラットフォーム系の暗号通貨ではないかといわれていますが、そうした理由の1つとして上述のような考え方があるのですね。

今回は、イーサリアムのGasについてご紹介しました!Gasについてよく分からなかった方はぜひ参考にしてみてください。